52話 ページ11
染岡｢あいつなら勧誘に行ってるぜ｣
貴女｢勧誘？確かに試合するには部員の数が足りないようですが……普段活動する分には大丈夫ですよね？｣
半田｢……いや、十日後に帝国学園との試合があるから、そのための……｣
貴女｢……では何故キャプテンである円堂くんだけが勧誘に行き、あなたたちがここでのんびりしているのですか？もっといえば、何故練習をしないのですか？｣
Aが見渡せば、目の前の部員達はゲームをしたり、漫画を読んだり、お菓子を食べたり、何故かカンフーをしていたり……と、サッカーにまったく関係ない事をしている
半田｢……しょうがないだろ。相手はあの帝国だぜ？俺らみたいな落ちこぼれチームが相手になるわけないし、そもそも人数も足りないしな｣
貴女｢……あまりにも情けなさ過ぎて、むしろ清々しますね｣
そう言うと、Aは盛大なため息をつく
貴女｢お遊びでここにいるのならとっとと帰っていただけませんか？サッカーに真摯に取り組んでいる円堂くんや、マネージャーとして支えてくれている木野さんに失礼です｣
染岡｢はぁっ！？｣
貴女｢キャプテンが奔走して勧誘しているというのに、キャプテンを支えるべき部員たちはこの体たらく。このまま練習しないで無様に負けるよりも、不戦勝の方がまだ恥はかかないと思いますし｣
染岡｢なっ！？テメェ！ケンカ売ってんのか！！｣
木野｢やめてっ！｣
逆ギレした染岡がAに掴みかかろうとする。が、それを華麗にかわすと、Aはすかさず染岡の喉元にペンを刺す(もちろん、ペン先は出ていない)
染岡｢っ！？｣
貴女｢……今の言葉に怒ったということは、余程悔しかったんですね。だったら、図星突かれて逆ギレするなんてみっともないことしてないで行動したらどうです？��俺らみたいな落ちこぼれチーム��？そんなの、人数が足りていないことを言い訳にして、グラウンドを借りることができないことを言い訳にして、何もしないからに決まってるでしょう？何一つとして行動しないあなたたちに、結果が勝手に着いてくるわけないじゃないですか｣
淡々と、静かに怒るAに、その場にいる誰もが動けずにいる。それは怒りの矛先を向けられていないはずの木野もその一人だ
貴女｢……木野さん｣
木野｢は、はい！｣
貴女｢彼らのサポートは大変だと思いますが、私も微力ながらお手伝いさせていただきますので、これからよろしくお願いしますね？｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
