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「う……うぅ…わたしも、なかむのこと好き…」
「ふははっ！なんで泣いてるの」
くしゃっと笑うなかむを見て、さっき止まったはずの涙が溢れ出てくる。幸せでいっぱいで、今までで1番嬉しい誕生日で、子供のように声をあげて泣きじゃくっていた。
そんな私を見て、しょうがないなと言わんばかりの顔をしたなかむが、ゆっくりと私を抱きしめた。
「…これからもずっと、俺がAを守るからね。俺以外に助けを求めちゃ駄目だよ」
「うんっ……うん！」
それから私たちは、近くのショッピングモールで買い物をした後、外で夕飯を食べて帰ることにした。
「Aの誕生日が、記念日になっちゃったね」
「1日で2回もお祝いできて幸せ」
「改めて、お誕生日おめでとう」
なかむはそう言って、いつの間に用意していたのか、バッグの中から小さな箱を取り出した。
「そんな大したもの用意できてないけど…開けてみて」
恐る恐る手に取り中を見ると、そこには小さな宝石がついたネックレスが入っていた。
「わ、可愛い…！」
「A、確かそこのブランド好きだったでしょ」
「うん。ちょっといいところだから、本当に特別な時のご褒美にしてるの。え、本当にこんなもの貰っていいの…？」
「もちろん。誕生日だし、彼女だから」
さらっと口から出た彼女という単語に、思わず顔が赤くなる。そっか、私、もうなかむの恋人なんだ。
「ありがとう…つけてきてもいい？」
「俺つけるよ」
お手洗いの鏡でつけようと思っていたが、それよりも早くなかむが席を立ち、私の後ろにまわった。なかむにネックレスを手渡すと、慣れた手つきで首元にそれがつけられる。
「手慣れてる…？」
「失礼な。Aが初カノだよ」
ちょっといじけたような顔で席に戻るなかむが可愛くて、思わず微笑んでしまう。
「なかむ」
「ん？」
「こんな私だけど、ずっと好きでいてくれてありがとう。今まで貰った分もぜーんぶ返す勢いで、私もなかむのことを愛せるように、がんばるね」
「…はーっ……そーゆーとこだよ、ほんと」
「え、ええ…？」
大事な幼馴染で、私の彼氏。今度は私がこんな風に素敵にお誕生日をお祝いできたらいいな、なんて思いながら夜を過ごした。
高所恐怖症な私と、私を守ってくれる騎士みたいな彼との、初めての愛の話。
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作者名：ピースラワー | 作成日時：2024年4月14日 19時
