【終わりのセラフ】優しき涙second

十四粒 ページ14

孤児院に来てから一年たった


ミカ「今日は新しい子が入ってくるんだって！





仲良く出来るといいね！」

貴「うん




そうだね！」


ミカちゃんと、どんな子が来ても家族になろうね、と笑いながら話していると、院長先生が、後ろに男の子を連れてきた




院長「はーい！皆！こっちをむいてー！




今日から家族になる


百夜優一郎くんです！


皆！仲良くしてあげるようにね！」


名前を聞いた瞬間、鳥肌が立った



そして、体が震えた


貴「ゆ…ゆ、優ちゃ……ん」



唇も震えて、うまく言葉を発せない




彼は私に気がつくと



目に涙を溜めて




私に飛びついてきた



貴「うわっ！ゆ、優ちゃんっ！





久しぶりぃ！会いたかったよぉ！」



お尻を床に打って痛かったけど、彼に会えた嬉しさで吹き飛ばされた



優「良がっだ！




またっ……………会えっ…て……………」


私の首に顔を埋めてなく優ちゃんを抱きしめ返して、慰めた


ミカ「……………？」


頭にたくさんハテナがついている皆に、あとから説明しようと、取り敢えず笑っておいた





院長「ふふ、仲良くやっていけそうね」



院長の言葉を聞き、院長先生の方を向くと




院長「(ｺﾞﾎｯ」



血を吐いた


そして倒れた




家族の皆は驚いて、泣く子もいた



私は、優ちゃんと少し距離を置き、カベの端の方へ皆を連れて座った



ミカちゃんが、少しだけ怯えていた






私は目で大丈夫と言い笑った



窓からは吸血鬼が、ガラスを割って入ってくる



皆が座っている中、私だけ立ち上がり



貴「私の家族を傷つけたら




許さないから」



思いっきり吸血鬼を睨み、低い声で言った




吸血鬼も、こんな子供に大人びたことを言われて驚いたのか、乱暴な扱いはしなかった


心配そうに、私を見るみんなに





貴「大丈夫だよ、皆の事は私が護るから




何時もみたいに暮らしてても良いんだよ」



みんな一緒に抱きしめて





心の底から笑った









ごめんなさい



約束を一つだけ




破ってしまいました




その代わり





もう、涙は一生流しません


嘘泣きでも、嬉し泣きでも、





本当に泣きたい時も





もう一生涙は流しません

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