ご招待 ページ19
『…さむ。』
花がすっかり散り葉桜となったこの季節は時間によってまだ肌寒い
『…帰って、謝らないと。』
折角楽しいデートだったのに。
『あ、星。綺麗』
よく晴れた日には星が見えるのは当たり前のこと
『…』
こんな空を一緒に眺めたいのも二郎
一緒に笑いあいたいのも、おはようって言うのも。
二郎。
『私、二郎のこと、好きなんだ』ﾎﾞｿｯ
気づくのはきっと遅いくらいだった
あの時感じた何かが始まる感じも
ﾄﾞｷﾄﾞｷした気持ちも
きっと、"好き"って感情のせい
『…っあ』
涙が零れ落ちてくる
｢久しぶり｣
聞き慣れて、愛しかったはずの声が聞こえる
ｺﾞｼｺﾞｼ…
『隼颯？…なんの用？』
｢なんの用？なんて恋人に対して酷いなぁ｣
ﾆｺﾆｺと気味の悪い笑みを浮かべて喋る隼颯
｢君を迎えに来た｣
『…どういうこと？』
『全て分かってる。貴方がこの病気を使ったってことも。』
私のことを愛してなかったってことも
『…全て分かっています。もう貴方は恋人じゃない』
｢ふーん。｣
隼颯から笑みが消える
｢…ま、いいけど。…来てもらおうか！｣
『行きません。』
二郎、助けて
怖いの。
二度と貴方に会えない気がする
＿＿＿＿｢ﾊｧｯ…ﾊｧｯ…間に合え、間に合え！！｣
｢A…！｣
何度Aをこうやって追いかけただろう
｢…っくそ。｣
これじゃ本当に馬鹿じゃねぇか。
＿＿＿＿｢ほら、おいで？｣ﾆｺｯ
昔のような笑顔で言われるとついつい全部夢だったんじゃないかなんて馬鹿なことを考えてしまう
『…私、本当に好きだったんだよ？隼颯のこと』
｢俺もだよ？｣ﾆｺ
｢俺は今もだし｣
『っそれは、私の事を研究者としてでしょ？』
｢いいや。違うね。｣
｢心から好きだったよ？｣
『ならなんで』
｢…まぁ実験にも適正ってあるから、それがたまたま君だっただけの話｣ﾆｺｯ
『そんな、そんな理由で？』
｢うん｣
あっさり言う
『冗談じゃない。ふざけないで』
これを聞いても？私の耳元で喋る隼颯
｢…｣ﾎﾞｿｯ
『…え？』
｢ｯﾊｧ…ﾊｧｯ…A！！！｣
『二郎、？』
｢…ってめぇ。Aになんかしたんじゃねぇだろうな。｣
｢なにも？君こそ大事なんだったら目を離すなよ｣
｢…っ。｣
何も言い返せねぇ。
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燐(プロフ) - シャルさん» ご指摘ありがとうございます！！訂正させていただきました。こちらこそ読んでいただいて嬉しい限りです！！ありがとうございます。 (2019年3月29日 0時) (
レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
シャル - 細かいかもしれないんですけど、あくまでが悪魔になっていました。間違ってたらごめんなさい！ 今回も面白かったです！更新ありがとうございます！ (2019年3月28日 23時) (レス) id: 0ad92d1aab (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - シャルさん» 暖かいコメントありがとうございます！！私の書きたいことが伝わっていたようで安心しました(泣)コメントを励みに頑張りたいと思います！ありがとうございます。 (2019年3月28日 0時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
シャル - とても感動しました！二郎の思いが複雑で私も胸が締め付けられました！ 大好きです！更新楽しみにしています!頑張ってください (2019年3月27日 23時) (レス) id: 0ad92d1aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燐 | 作成日時：2019年3月15日 21時
