天寿をまっとうしたいので【夏油傑】

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『げとう……すぐる』


「ん？ どうしたの？」





私は目の前にいる男の子を見ながら名前を呟く。
げとうすぐる、否夏油傑。
前世、ジャンプで絶賛連載していた呪術廻戦に登場する人気キャラクターであり、劇場版で更なるファンを増やした後の教祖。


高専時代にあった星漿体の件と術式による日々のストレスと重なり、ミミナナちゃんの一件によって非術師を猿としか思えなくなり闇堕ちする夏油傑。
つまり、





『………え、あ、私猿じゃん』


「A？？」





突然の猿発言に驚いている彼を他所に私は絶望した。
これ、確実に殺されるパターンなのでは…！？
なぜなら私、呪霊全く見えません。物心着いたあとでも見たことありません。


しかも家が近所であるいわゆる幼馴染み。
アッもうダメ。死ぬ未来しか見えん。
確か原作では親を殺したって言ってたし、幼馴染みという割と切れない縁を切る為に殺しにくるかもしれない。
人生詰んだ。


でも落ち着け私。ステイクールに行こう。
私は今世、天寿をまっとうして死にたいのだ。
前世は割と散々だったので、今世こそは幸せに生きて幸せに死にたい。


だがそこに夏油傑という壁が現れる。
ならばどうするか。
彼に殺されないように生きるのだ。 つまるところ彼から離れる！



私は呪霊見えないし術式もない猿なので、よくある転生主が救済するなんてことはしない。てか無理。
今から離れる、というのは不自然だ。
離れるとしたら高専入学と同時に東京から離れればいい。





『やだ、私ってば天才…』



「A、頭大丈夫？」



『大丈夫だから病院に連れていこうとしないで？？ ね？？』






そして始まる『目指せ！私の天寿まっとうライフ』。
頑張れ私、フレーフレー私！！







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