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Aside

「『かんぱーい！！』」

仲のいい先輩のお誘いを受け、居酒屋で先輩の愚痴を聞く。

先輩「全く、あんたは幸せもんよね～。あんなイケメンと付き合えるなんて。」

『自分でもびっくりしてます。諦めるための告白だったのにまさかOK貰えるなんて笑』

劇場で挨拶するだけの関係だったのが気づいたら気になる存在になって、そこから好きになるまではあっという間だった。

でも、あの容姿で、あの性格の良さを他の人も放っておくわけはなくて、あの人の周りには綺麗な人ばかり。

気持ちだけ伝えて、諦めよう。

そんな気持ちで告白したら…

河井「そっか…じゃあ付き合おか。」

『…え？』

河井「え？って、そっちが好きって言ってくれたやん。だから付き合おかって笑」

ドッキリだって言われても納得がいくぐらい、今でも信じきれていない。

先輩「この幸せ者～」

『ちょっと笑笑もう… 私、お手洗い行ってきます！』

逃げたなーと言う先輩を置いて、お手洗いに向かう。

『そういえば、今日河井さんに連絡してなかったや。』

河井さんはよく私にネタの感想を聞いてくる。

最近は私から感想を送ることが多くて、今日もいつものようにLINEを送る。

『これで良「かわいい彼女から連絡でっせ～」

ん？

障子越しだから、姿は見えないけど稲田さんの声がした。

河井「あんま携帯見んなよ…」

絶対そうだ。

河井さんの声を聞いて確信した。

障子を開けて挨拶しに行くのも少し恥ずかしくて、2人の話を盗み聞きするような形になってしまった。

稲田「河井さんって彼女さんの話全然しないですけど、どこまでいったんですか？笑」

河井「なんも。なんもしてへんよ。」

稲田「またまたぁ～」

これは事実だ。

付き合ったのはいいものの、デートはお互いの家を行き来するだけ。

手を繋いだことも、ましてやキスなんてする雰囲気すらなかった。

河井「あの子はなぁ…」

私のことを話そうとしている、そう思ったらもっとしっかり聞きたくて障子に体を近づける。

河井「彼女っていっても、女よけやねん。」

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さっきはドッキリでも納得いくなんて思っていたが、河井さんへのこの気持ちはどうもそう簡単にはいかないらしい。