119話 ページ24
「ヒース、少し話さないか？」
「カイン…？」
あの後、誰がヒースとゆっくり話をするか話し合った。
フィガロだと診察になってしまってヒースは気を遣うのでは。オズだとヒースは萎縮してしまう。
ファウストだと心配かけまいと「大丈夫」の一点張りになりそう。
ラスティカはクロエのことで手一杯。
そこで名乗りを上げたのがカインだった。
「話せない状態なら無理にとは言わないから」
「……ううん、大丈夫。今は結構…気持ちも落ち着いてる」
「そっか。…ヒース、お前が今一番不安なのはシノのことか？」
「………シノのこと、…もそうかな。いや…そうかなっていうか、そうだね、一番はシノのことだと思う」
「俺はお前が何を言ってもおかしいと思わないし笑ったりもしない。叱責もしない、話してくれヒース。人に話せば少しは楽になれると思う」
まだ17歳の子供だ。
気持ち自体に自分が気づけないこともある。
それでもヒースはいま「なにかしらの感情」に苦しんでる。
ほんの1gでもいいから分けてくれ。
「シノも含めて、ルチルもクロエもミチルもリケもAも、みんな、今年選ばれた賢者の魔法使いでさ…大いなる厄災に対しても「防いでやる」とか、なんかあったら守ろうとか…そういう気持ちが伝わってきて…もちろん俺だって去年そう思ってたからおかしいと感じてるんじゃなくてね。…ただ、なんて言うのかな。あんなに優しくしてくれた南の魔法使いはみんな石になった、ファウスト先生も危ない状態、自分は無力で、みんなが守ってくれて、守ってくれた人は…砕け散っ…っ…ごめんなさい、」
「いい、大丈夫だ。泣きたい時は泣けばいいから」
「はい…それで考えてしまって。シノは俺を守るためならなんの迷いもなく庇うんだろうな、とか…ルチルとミチルは優しくて勇敢だから、きっと去年の南の魔法使いみたいに周りの人を助けるんだろうな…とか、クロエとAもみんなのためなら石になっても構わないって大いなる厄災にも飛び込んでいって、リケだって信念のもと前線を守るんだろうって…それが、つらいんだ。昨日の夜いっしょにご飯を食べた人がいなくなる。自分は見てるだけで何も出来ない。目の当たりにしてしまったから尚更動けないと思う」
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灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！早起きですね！4もありますよ！ (2021年12月5日 8時) (
レス) @page50 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 3終わりましたね……めっちゃやばかったです、過去編が楽しみすぎる。4が出るのを楽しみに待ってます！ (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！面白いと思い続けて貰えるように頑張ります！！ (2021年11月30日 12時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 灯油マンさん» いえいえ！こちらこそ、語彙力がないので上手く感想を口にすることが出来ないんですけど、読んだら感想を言いたくなるお話なので… (2021年11月30日 5時) (レス) id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» お久しぶりです！！ありがとうございます。わたしもなかなか更新できてませんでしたので！いつも本当にありがとうございます。 (2021年11月29日 9時) (レス) @page2 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯油マン | 作成日時：2021年8月1日 11時
