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前回から数日後、夏休みが忙しく過ぎていく。
渡韓した日に、同い年の練習生を紹介してもらった。
その時に出会った男の子とよく話すようになった。
｢ねぇ、チャニ。｣
｢なに？｣
｢ここはどうするの？｣
韓国語の辞書を開きながら、チャンにダンスの質問をする。
彼が韓国に来て一番仲が良くなった男の子《イ･チャン(ディノ)》。
ダンスが上手くて、優しく韓国語を教えてくれる。
ただ、最初は苦戦した。
私も彼も人見知りだったから会話が続かなかった。
でも二人とも心の扉は簡単に開くタイプだったため、3日で仲良くなれた。
今では一番頼りにしてる。
｢ここはね、こうするの。｣
ゆっくり分かりやすく韓国語を話してくれる。
見よう見まねでチャンの動きを真似すると。
｢出来た！｣
｢ナイス！｣
ハイタッチして顔を合わせる。
自分の事かのように喜んでくれた。
この時には既に、チャンはデビューが決定していた。
｢SEVENTEEN TV｣を撮影してる合間に教えて貰った。
そしてチャンに、一緒にデビューすることになっているお兄さん達を紹介してもらったりして人脈を広げた。
SEVENTEEN兄さん達は、私を妹の様に可愛がってくれた。
特にスニョン(ホシ)兄さんは日本が好きらしく、私に積極的に話しかけてくれた。
練習生で日本人は私だけだったから、色んな子に声をかけて貰えた。
お陰で沢山の友達が出来た。
毎日朝早くから事務所に行って、韓国語の授業にダンスレッスン、歌のレッスンに作曲家さんの仕事を見学、そして夏休みの宿題をする。
毎日が充実していて、楽しかった。
でも私は、他の練習生とは少し違っていた。
それから2年後、SEVENTEENがデビューする年に私にある話が舞い込んで来た。
その時には私は高校生になり本格的に韓国に居た。
韓国語も普通に話せるようになっていた。
うちの事務所はたまに他の事務所から人が来ることがある。
うちの練習生のレッスンを見て、我社と会議の元引き抜きをするのだ。
そんな中私はとても特別な枠にいた。
私が目指すのは作曲家でアイドルでは無いと言うこと。
それなのに練習生をしていること。
作曲家志望だから、他社の引き抜き枠に私が入ることは無かった。
それなのに私に、他社からスカウトされたのだ。
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
