【NCT】Flower【TY】 (ページ47)

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「僕もAちゃんの曲好きだよ。」

テヨンさん本人の口から言われて顔の熱が上がっていく。

毎回テヨンさんに会ったら顔を赤くしてない？私。

「ありがとうございます。
テヨンさんにそう言って貰えて、凄く嬉しいです。」

チソンくんからキャップを借りた時に髪を束ねてしまったから、赤い顔がテヨンさんに丸分かりになっているだろうな。

「実はついさっきまで、AちゃんとAさんが同一人物だって知らないんだ。」

ははっ。と照れ隠しの様な笑い方をするテヨンさんの顔が、いつもと違って可愛く見えた。

「名前を変えてますしね、気づかないのが普通ですよ。
ドリムから聞きました。私の曲を好んで下さってるとか…！
好きなアイドルにそう思ってもらえてるなんて嬉しいです。」

思わず自分の口から出た言葉に私自身も驚いた。

「本当？」

さっきとは違う真剣な眼差しが私を見つめる。

「はい。」

見つめ合う私達。

テヨンさんの瞳から視線が外せなかった。

再会した時は緊張で顔をしっかり見れなかったけど、改めて見ると男らしくなったなと感じた。

本の数秒のはずのこの時間が、凄く長く感じた。

「あの時僕のダンスに一目惚れしたって言ってくれたけど、今でも好きでいてくれてる？」

「もちろんです！ずっと、私の憧れはテヨンさんです。」

私の心はあの頃からずっとテヨンさん一筋だ。

「あの頃はずっとAちゃんを見てたよ。」

優しい声が私の胸を突き刺す。

「本当ですか？」

「もちろん。ずっと後を着いて来てくれたから。」

今までに見たことがないくらい、柔らかくて優しい笑顔を浮かべたテヨンさん。

その表情に特別な意味はありますか？

ポタポタとゆっくり溢れ出していた気持ちが、徐々に溢れる量を増していく。

「…テヨンさん！」

そう呼びけると、あの頃と同じ優しい顔を向けてくれる。

「テヨンさんとのメッセージも凄く嬉しいのですが…あの、その、」

口が上手く回らない私をテヨンさんが心配そうに見つめる。

「大丈夫、ゆっくり言って。」

息をゆっくりと吸い込んだ。

「その、電話もしたいです。」

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