【NCT】Flower【TY】 (ページ43)

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スタッフがバラけて行くと、徐々にドリムの全体が見えるようになっていった。

たまたまこちらに顔を向けたヘチャンくんが元気よく手を振ってくる。

「Aヌナじゃん！久しぶりー！」

大きな声に、他のメンバー達もこちらを見た。

「誰？」

「作曲家さん！」

ふわっと笑ったヘチャンくんが私の方へと近づいてくる。

「元気にしてた？」

「はい！ヘチャンくんもマークも、元気そうですね！」

「もう、敬語なんでやめてよー！」

気づけばヘチャンくんの敬語が無くなっていた。

まあ私は気にしないんだけど。

「おいヘチャン、年上にタメはダメでしょ。」

「そうですよ、ヒョン。」

そう言って後から来たのは、ハンサム顔の《ジェノくん》と《チソンくん》。

「初めまして、ジェノです。」

身長の高い彼の顔を見ようとするが、自分が低身長すぎて首がピキっと鳴った。

「初めまして、今回のアルバムに楽曲提供をさせてもらう事になった作曲家のAと言います。」

「え、Aってヌナだったの？」

改めて自己紹介をすると、ヘチャンくんが驚いた顔をした。

「めっち好きな曲があってさー…」

そう言って自分のスマホ画面を見せてきた。

画面には私が本格的に提供を始めた頃の曲だった。

「これもヌナが作ったんでしょ？」

「…うん。てかこれ、どこで？」

「テヨンイヒョンが聴いてた！」

「え!?」

テヨンさんが、私の曲を!?

うそっ、ヤバっ！嬉しい。

でも恥ずかしい。

一瞬にして騒がしくなる感情。

「テヨンさんは知ってるの…かな？」

「ヌナの曲だって？さぁ、どうかな。」

首を傾げながら自分のスマホ画面を他のメンバーにも見せるヘチャンくん。

「ヒョンには言ってないの？」

「うん。まだ全然売れてないから。」

「凄くいい曲じゃん。」

「いい曲でも売れなきゃ話せないよ。」

憧れのテヨンさんにはまだ言う自信は無かった。

「ならボクから言っていい？」

「え!?ダメダメ。」

いきなりそんな事を言うもんだから、慌ててスマホを出すマークの手を掴んだ。

「まだ心の準備が…」

「準備なんて言ってたらチャンス逃すよ？」

後ろから聞いていたヘチャンくんがそう言ってきた。

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