九条の貴婦人 (ページ7)

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すると未経験者は鳴宮の方を見て拍手をする

鳴宮「いや……その」

渋る鳴宮の様子に山之内は心配そうな顔をし、小野木は舌打ちをして立ち上がった

小野木「おい、弓何キロ使ってんだ」

矢立箱から自分の矢を一本取り出しキロ数を聞いた小野木に山之内はビクッとした

鳴宮「15……ま、待てって！俺やるなんて一言も！」

小野木「誰もおまえの腕前なんか気にしちゃいねぇよ」

鳴宮「そうじゃないんだ」

小野木「名前呼ばれておきながらうだうだ言うなよ、弓引きの端くれとして恥ずかしくねぇのかよ」

つい反論で立ち上がった鳴宮の左腕を掴み矢と合わせた

小野木「俺のじゃちょっと長いな……」

その光景を見ていた未経験者に説明するようにトミー先生は口を開く

トミー先生「ああしてちょうどいい矢の長さを測るんじゃ」

竹早「俺の体操着貸すよ」

如月「鳴宮、湊だっけ？手のサイズは？」

もう逃げられないような雰囲気を感じた鳴宮は顔を顰めて竹早を見た

鳴宮「森岡先生に言ったのか？」

竹早「何を？」

鳴宮「俺が、持ってきてること」

竹早「言ってない」

それでも顔を顰めるのをやめない鳴宮だったが諦めたのか弽をどうするか聞く如月に「それはいい」と断り自分のバッグから緑の布袋を取り出した

その中に入っていたのは弽。指先はやや黒くなっており使い込んでいるのがわかる

竹早は体操服に着替えた後慣れたように弽をつける鳴宮に弓と矢を手渡した

弓と矢を腰に取り的と向き合う鳴宮を見てトミー先生は頷いた

トミー先生「準備オーケーじゃな。弓道では弓を引く時の作法がある」

鳴宮を見ながら未経験者に説明をするトミー先生

トミー先生「まずは一礼しすり足で所定の位置へ向かう」

跪坐をし矢を番える鳴宮は心の中で大丈夫だと唱え息を吐いた

トミー先生「立ち上がり、自分の立ち位置を定め的を見る。構えて、そしてゆっくり弓を引き絞る」

口割についた瞬間、矢が弦から離れ安土へと向かうが速度が遅く矢は的の5時方向に抜いた

如月「はや」

花沢「離すの早い」