九条の貴婦人Ⅱ (ページ5)

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桐先は万次の代わりに椛島が入り、19中という高的中を叩き出した

続いて二階堂率いる辻峰の試合もAたちは観覧席から見ていた

斜面打ち起こしで大前の二階堂と二番の不破がほぼ同時に離れをし的中させたことで周りはざわめく

花沢「二番目早すぎない？」

白菊「ちょっと、これってどうなんでしょう？」

鳴宮の先輩だからという理由で男子も辻峰の射を見に来ていたがどこか拍子抜けた顔をする

だが強いのは確かだ。17中し2回戦進出を決めた……

如月「辻峰……やっぱ去年も一昨年もデータないな、強いの今年だけ？」

荷物置き場に戻り2回戦の準備をする中如月はスマホで辻峰について調べていた

小野木「中学の時、先輩後輩だったんだろ？なんか情報ないのかよ」

鳴宮「情報……割と親切な先輩だった、聞いたら教えてくれるし」

小野木「使えねぇ」

鳴宮「俺や静弥よりAの方が詳しいかも、仲良かったから」

小野木「今ここに九条いねぇじゃねぇか」

Aは今も観覧席に妹尾たちと座って2回戦目を待っている……

男子は2回戦目17中で突破し準決勝、辻峰とあたることとなり待機場所に向かっていると正面から相手校が歩いてくる

不破「風舞だよ」

不破は後ろに立つ太田黒に言う

二階堂「対戦することになっちったね？」

鳴宮「試合、見ました」

二階堂「あそう」

鳴宮「5人全員斜面打ち起こしでなんかかっこよかったです」

感想を述べた鳴宮に不破は笑い吹き出し二階堂は「あんがと」と軽く返す

太田黒「君！がたいいいな！！」

近づいてきた太田黒に山之内はビビッて後ろに下がった

山之内「あ、ありがとうございます！」

山之内と太田黒の間を通り待機場所に行こうとする樋口を荒垣が首根っこを捕まえて戻した

荒垣「空気読め樋口」

樋口「道を譲ってくれたのかと思って……」

二階堂「お互い県大会優勝校だ、もう全国大会への切符は持ってるんだから楽しくやろう……お久、静弥ちゃん。まだ一緒にいるんだ？」

二階堂は竹早に目線をずらした

竹早「お久しぶりです、先輩が弓道を続けていたと知って嬉しいです」

二階堂と不破は同時に息を吸う