九条の貴婦人Ⅱ (ページ11)

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鳴宮がゴム弓を始めて数日続いた。最初こそは弓を引く部員を外から羨ましそうに見ていたが今となっては滝川の指導をまっすぐ受け止めて練習している

だが小野木と如月の間には亀裂が入ってるように見える

小野木「邪魔だ」

如月「これはたいっへん失礼しました～……いいかな？」

山之内「おぉもちろん」

的前に入り小野木と如月は同時に引き分ける。小野木は外し如月が中てると苛立ったように後ろに立つ如月を睨んだ……

翌日、練習の初めに挨拶をすると滝川は如月がいないことに気づいた

滝川「七緒は休みか？連絡は？」

竹早「いえ、今のところはなにも」

滝川「そうか……じゃあ射込みの後Aは審査練習、残りの女子は3人立っておいどうした遼平？聞いてるのか？」

山之内はまずいという顔をして目が泳いでいた

練習が始まり小野木は集中できず外し舌打ちをした

滝川「海斗！！」

小野木「……すんません！！」

滝川「ん、わかっているんならそれでいい」

小野木「うっす」

矢取りに入った小野木に山之内は昨日余計なことを言ってごめんと謝ると小野木は関係ないと怒鳴った

花沢「わぁフラれましたねこれは」

白菊「荒ぶってますわね」

妹尾「如月も来てないし本格的にやりあったんじゃないかな？」

A「如月、地方大会の時から小野木にイラついてたよ」

遠目で見ていた女子の会話を聞いた鳴宮は俯いた

鳴宮「ならきっかけはやっぱ……」

竹早「……仕方ないな」

ここで竹早の過保護が入った……

この日日が沈み的が見えなくなるまで小野木と如月は射詰競射をやるが中々勝敗が付かず如月が失をして流れが止まった

だんだんいつもの調子に戻っていい合いをする2人を隠れてみていた男子とAは安心したような顔をする

竹早「ほんと恥ずかしいやつら……」

鳴宮「めちゃくちゃだったけどな……でも」

山之内「よかった、まじでよかったぁ～」

A「……泣くほど？」

山之内は安心しきって涙が出てきた

鳴宮「主張は大事、動き方を知る。押し引きと一緒だな」

小野木と如月の絆が更に深まった日だった……