検索窓
今日:121 hit、昨日:163 hit、合計:334,127 hit

episode71 ページ22

昨日はよく眠れなかった
自分の部屋に戻ってからも変に心臓がバクバクして落ち着かなかったから。


そんな眠たい体を起こして、今は凛くんのいる医務室に来ている。


昨日取り替えることのできなかったタオルを洗い、凛くんの頭の上にあるタオルと取り替える。




そして昨日よりも穏やかな顔で眠っている凛くんの寝顔を見つめていると、

ぱちっと効果音がつきそうなほど勢いよく凛くんが目を開けた。



『おっおはよう...』


「...はよう」



あまりにも勢が良くて驚いている私に眠そうな体を起こしながら凛くんが言った



『まだ熱っぽい?』


「いや」


なんだかよそよそしいなと思っているとまた凛くんが口を開いた



「忘れろ...昨日のことは忘れろ」


『...もしかして記憶あるの?』



私がそう聞くと凛くんはそっぽを向いた。でも確実に顔が赤い。それがなんだか可愛くて吹き出してしまった。



『ぷはっ』


「...何笑ってんだよ」


『ううん、なんでもない。でもどうしよかな』


「はぁ?」




そこで私は意地悪なことを思いついた。
でも流石にこれを言うのは恥ずかしいかなと考えていたら凛くんが気がついたのか声をかけてくれた。




「なんだよ...」

『凛くん...ひとつだけお願いしてもいい?』




凛くんは何も言わずに私の口から出る言葉を待ってる




『また名前で呼んでほしいな...なんて』





私のその言葉を聞いた後凛くんは少しだけ驚いた表情をした。


でもそのあとすぐに真剣な表情で迷わず私の後頭部に手を回して耳元で囁いた。




「A」






その声があまりにも優しかったのと、さっきまで照れていた人とは思えないほど真剣な顔つきで名前を呼ばれたから私は顔を赤くすることしかできなかった。




「...これで十分かよ」


『うん、ありがとう。』








『...凛』





私も仕返しと言うわけではないけれど名前で呼ぶと凛くんは...いや、凛は目を見開いて驚いた顔をした後、目線を逸らした。



















顔を逸らしても真っ赤な顔は隠せてないのに。


私はそんな凛にまた笑顔が溢れた。

episode72→←episode70



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (392 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1362人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小雪(プロフ) - 翔奈さん» コメントありがとうございます!更新が遅れてしまって申し訳ないです...。あと少しよろしくお願いします( ̄^ ̄)ゞ (2023年2月17日 7時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
翔奈(プロフ) - 更新とっても嬉しいです( ; ; ) (2023年2月16日 22時) (レス) @page47 id: 43e26a5008 (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - itori0828さん» コメントありがとうございます!絶対とは言えませんが前向きにじっくりと検討してみます...!この作品も最後までよろしくお願いします!! (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - Manakaさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて本当に嬉しいです。これからも楽しんでいただける作品作りを心がけます...! (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - ここなさん» コメントありがとうございます!じっくり検討してから答えを出したいと思います...!これからの更新もお楽しみに (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小雪 | 作成日時:2022年12月3日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。