96錠 ページ7
side:轟焦凍
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俺の言葉を聞いて、薬師神は「それが聞けてよかったです」と、嬉しそうに でもどこか切なさを含みながら笑った
数秒 車の音だけが響くはずの静寂の後
俺の口から出た言葉は「駅まで送る」
その道中だって 特に話すこともなく
無機質に明るい駅の改札を抜けて 違う道を進んだだけだった
そんな 何かが不足したような別れ方をしたからだろうか
休日2日目の朝
目覚めはあまり気持ちの良いものでは無かった
あまり他人の家庭事情に首を突っ込むのは
いい事では無いかもしれないし 柄でもないことだと思う
なのに薬師神の過去を聞いてしまった俺はまた、あのやたらとかわいい建物へ向かっていた
ちりん と軽い音だけが、昨日と同じで
寸前に硝子越しから見えた彼女の父親は少し元気を無くしているようだった
振り向いて俺の姿を捉えると、彼女と同じ色の瞳に驚きが混ざるのが 分かりやすい
｢え、｣
｢…どうも｣
No.2ヒーローをずっと父親としてきた俺には、正直 彼がとても弱々しく見えた
それでも 戦うことを知らないような体格が彼女によく似ている
それが、きっと 普通 なのだろう
｢ヒーロー科の轟焦凍…です｣
慣れない敬語を 目の前の彼は黙って聞いていた
ヒーロー科、というワードに若干の戸惑いが見えたが
｢やく…Aさんから 話は、伺いました｣
名前で呼ぶのは 2度目だろうか
慣れないことだらけで、自分の周りの空気が重くなる気がした
…こんなことを言っていいものか、直前に迷ってしまう
それでも、頭を下げる余裕は出来ていた
｢あいつのヒーロー科編入、許してくれませんか｣
彼女の父親への 一方的な願いだった
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
