95錠 ページ6
side:轟焦凍
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｢…ヒーロー科編入を止めるのも、無理ねえな｣
諦めたとかではなく、ただ正直な感想を零した
ヒーローを目指すわけでもない娘が わざわざ危険を冒すなんて親からすれば耐えられたものではないと、今更ながら当然のことだ
実際 薬師神は敵に遭遇したり、怪我をしたり 本来の彼女の人生には必要の無いであろう傷を作っている
鍛えられていない普通の少女がどれだけ儚いものかを知らない俺には、それ以上何を言うことも出来なかった
｢私も昔ならそうやって納得してたと思います｣
ふと彼女が顔を上げて 目線が交わる
さっきのように弱々しくはなかった
｢でも今は 自分を守るんじゃなくて、皆のことも助けたいんです｣
それだけじゃ、ダメなんでしょうか
無自覚に整いすぎた顔を歪ませる薬師神の瞳が伏せられる
それが、記憶の中のある光景を はっと目覚めさせるようだった
体育祭終了直後、別の科の男子達の中での話し声
「なぁ、お前サポート科のあの子見たか？」
「怪我人の手当てし回ってた子だろ！俺足挫いて座ってたら急に目の前に来てさぁ、かわいすぎてビックリしたわ」
「薬師神A…だっけ？サポート科で天使って噂されてたよな」
「あー、聞いたことある。あの子だったんだ」
ただ愛くるしいことを、人はそう称したりはするが、天使だなんて人間に使う言葉か？と思っていた
しかし、薬師神Aは並外れて美しい
その言葉がパズルのピースの様に ピッタリと嵌る人物だ
彼女の父親が心配するのはそのせいでもあるのではないかと疑えるほど
そして俺はあまりにも、無頓着だった
彼女が評価されているのを目の当たりにして、感染のように広がる評判を初めて覚えたのだ
苛立ちが募った気がしたのは意味が分からなかったが、容姿だけで噂が回っていることへの不快感だということで片付いた
それでもどこか、薬師神が遠くなる気分になった
｢…ダメじゃ、ねえ…と思う｣
曖昧な言葉は詰まりながら、関係を繋げたままでいたかった
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
