113錠 ページ24
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筆記試験は 得意な方だと思う。
昔から薬についての勉強をたくさんしてきたから暗記ものには慣れているし、数学も英語も国語も嫌いじゃない。
自分で言うのもなんだが、成績は悪くない方だ。
ただ、元サポート科として言わせてもらうなら ひとつだけ得意ではないことがある。
…ここまで言えば分かるだろうか。
そう、サポート科の主な活動といえば、サポートアイテムの製作。
私はどうにも、ものづくりが苦手だ。
個性にあった素材はどれか、何かを組み合わせてより頑丈なものにする、だとかを考えるのは足し算みたいなもの。それぞれの特性を知っていればなんとかなる。
ただ、実行するとなると話は別で。
とても長い前置きになってしまったが
つまり、期末実技試験の始まりに「サポートアイテムをなんでもいいからひとつ作ってこい」なんて言われた私はとにかくピンチだってことだ。
｢提出は、こっちの実技試験終了までな｣
相澤先生の冷酷な追い討ちが降り掛かってくる。
そんな短時間じゃあ無理ですよ、なんて言ったところで聞く耳を持たないだろう。
ヒーロー科に入るなら、コスチュームの修理もある程度私に回ってくる可能性はある。だから私に課せられたのは実技の戦闘じゃなくて、ヒーロー科に役立つものなのだろう。
1組目の轟くんと百ちゃんの試験はおろか、他のみんなの戦闘もきっと見られない。しかも、時間がない。
廊下は走っちゃいけないけれど、今は授業中だから許して欲しい。
大慌てで私が向かうのは
少し懐かしい、サポート科に馴染みのある場所だ。
到着する頃にはすっかり息が切れていた。
勢い余って乱暴に開いたドアに驚きもせず、この場所の主とも言える彼女はくるりとこちらを向く。ちょっとは驚いたらどうなんだ。
｢あれ、お久しぶりですね！サボりですか？｣
｢ちが……工房ッ…お借りしたくて…｣
そう答えると、発目さんは「珍しいじゃないですか！」と私の言葉に驚いているようだ。
彼女の記憶に残る私は、自ら工房に出向いたりしないのだろう。
実際 今だって出来ることなら研究室にいたい。
そんな馬鹿みたいなことを考えながら 慌てて工具やらなんやらをガサガサと漁る手を、ふと止める。
｢…って、あなたがサボりじゃないですか！｣
バッと発目さんの方を向くと、ゴーグルの下でわざとらしく目を逸らしていた。
…まあいい。彼女がいた方が好都合だ。
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
