冨岡さん、人違いです！【鬼滅の刃】

恐怖の夜 ページ27

ぴんぽんぴんぽんぴんぽん

『インターホンうるさい！一回で分かるわ！』

「ひぃぃい、ごめんよぉ、不安で…！」

ドアを開けたところに立っていた善逸は涙目だった。
なんとも情けない顔だ。

そして足早に私の部屋に入っていったところで…

「ようこそ」

「ギャアアアアアア」

部屋の奥から顔を出した冨岡さん。
悲鳴をあげる善逸。

『ちょっと、黙って。ご近所さんに怒られるの私だから！』

「だって！この男！なんでいるの？」





「俺も背後に貞子を感じてな」

「分かる！俺も！超怖かったよお」

『なんで最後まで見るかなぁ』

「最後まで見ないと不安なんだ。最後にはどうにか貞子を退治できるかもしれない」

退治？そんな話なの？

「ラストは貞子をどうにか封印したんだけど、貞子は封印が解かれる日を待ってるって…」

「あぁ、世界征服に向けて爪を研いでいるようだ」

『ドラ◯エの魔王みたいな貞子だなあ…』


というわけで、遊んで気を紛らわすことに。

「一抜け」

『冨岡さんババ抜き強っ。三連勝じゃん』

「てかずっと思ってたんだけどさぁ…このババの絵怖すぎない？」

たしかにちょっとリアル調だけど。

『気にしすぎだよ〜』

「うん…それに…」

口ごもる善逸。どうしたんだろう。

「…柏原さん、お手洗いを借りてもいいだろうか」

『いいよ』

「ま、待って！俺も行く〜！」

なるほど、トイレに行きたいけど怖かったんだ。
ちょっとビビりすぎじゃない…？

ーーーーーー

『うひぃ…怖かったあ』

「うむ…暗い廊下というのはどうもな」

本当に。なんかいる気配がしてならないんだよおお！
冨岡さんとかいう人がいて良かった…

『冨岡さん、もしかして俺がトイレに行きたかったのを分かって…？』

「ん？まぁ、俺もちょうど行きたかったが、善逸さんも行きたそうにしていたから」

や、優しい！一緒に行ってくれたんだね！
好きじゃなかったけどいい奴じゃん…！

「ぎゃああああ！」

「『！？』」

Aの悲鳴だ。まさか、貞子が…！

「柏原さん…！」

『待って！確か貞子はお酢をかけると弱るんだったよな！』

「…あぁ、そうか、持っていこう。それと、ほうきを振ると近寄ってこないらしいから用意しておこう」

『うん！』

貞子怖いけど、今すぐAを助けに行かないと！
…貞子怖いけど！

と、居間のドアが勢いよく開いて、勢いよく何かが飛び出してくる。

俺たちは声にならない叫びを上げた。

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