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少し、テヒョンさんの話し声が聞こえて、電話が切れたと同時に『じゃね』って一言
「は?ちょ、ちょっと待ってテヒョンさん」
んぇ?って見るからに面倒くさそうに振り返ったテヒョンさんから、ふんわりと高級そうな香水の香り
「…いや、何を話せばいいんですか」
TH「そんなもん、好きですって言えばいいんだよ。あっ、ちゅーしちゃえば?」
ぶわっと顔に熱が集中する
嘘だ、とわかったら、嫌われて。振られるかもしれないのに。
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テヒョンさんが帰って、30分ぐらい経つけど、彼は来ない
もう、彼は来ないんだ。忙しいんだ。
よし、もう帰ろう、
そう思って、重たい足を引きずりながら、裏に回って店の鍵を取るとベルの音
『え』って声も聞こえた
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表に出るに出れない
彼はテヒョンさんが帰ったってこと知らないんだっけ
ここに隠れてれば、帰ってくれるかな。…でも、テヒョンさんが呼び出しちゃったし、…もう!!!
JK「Aヌナ…?いる?」
ああもう
「ジョングクさん…?テヒョンさんはもう帰られましたよ」
この一言も、言葉や声色をその場で考えて、やっと捻り出した言葉
既に片付けを済ませたキッチンを通って、カウンター席まで戻ると、彼は居て
JK「…ヌナ」
こんばんは、っていつもカウンター席の真ん中座るくせに、今日は隅っこで遠慮がちに呟く
JK「ハァ〜、テヒョンイヒョンが呼び出したくせに、いないってどういうことですかね」
薄く笑ってるけど、なんだか見るに耐えなくて
私のせいで、こうさせてしまっている、っていうのはわかってる。けど、
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「…言わなければいけないことが、あります」
もう、嫌われてもいいって思った
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作者名:ましろ。 | 作成日時:2022年7月1日 19時