異世界黄昏半妖物語【d!】 (ページ28)

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｢人間ってさ、なんで直ぐ悪くもないのに謝んの？｣

『…え。』

そう、言ったのはロボロさんだった
不思議そうに複数の目が、私を視界に捉えている
純粋な疑問をぶつけられたのだ。

【人間は、謝れば何とかなる。そんな精神が働くらしい】

取り敢えず自分が悪かろうが、悪くなかろうが【それ】を逃げ道に精神を安定させては【人間】として形作っている
悪い癖なのか、良い癖なのかは知らないが【その当たり前社会】が【此方】で通用する筈もなく、当たり前が覆る世界こそが【こんな世界】なのだから

｢あぁ、なんか気ぃ悪くしたらすまんな。単なる疑問や、悪くもないのに頭下げて、謝って、なんも悪くないんやったら胸はって生きたらええんとちゃうんか？って思うねん｣

｢この世界はそれが通用するし、無理なら俺等を頼ってほしい。俺等は【愛し子】を保護するのが役目やし、少なくとも此処に居る奴等は【多分】信用してええと思うから｣

ゾムとかショッピには気ぃつけた方がええけどな…手遅れっぽい感じもするけど。と呆れため息をつくロボロさん
一呼吸した後、私を指差しては随分と【情が移されてる】と言う

｢ま、直ぐにそれ直せってわけちゃうよ。ただ、もう少し頼ってほしいなぁ思っただけやから。ごめんな、人間の気持ちはちょいと難しいみたいやわ｣

くぁっと欠伸をしては、雑面布を付け直し私から視線をそらすロボロさん
そんな様子を、気まぐれな猫は品定めをするように見つめていた