158.きっと、超えた。 ページ5
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二宮の体がゆっくりと離れて、私の瞳を捕らえる。
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和也「…あのね、先輩」
「…」
和也「もう、手遅れなのも分かってる。俺は、あなたをもう守ってあげられない。…守るべきじゃない。」
「…」
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どうして今、そんなことを言うの、と。その瞬間頭の中は二宮のことでいっぱいになって、戸惑ってる間に二宮は私の瞳をまっすぐと捕らえた。
胸がドクン、と鈍い音を鳴らす度に二宮の口から言葉が出る。
二宮の震える声を聞く度に、心臓を誰かに握り潰されているみたいだった。
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和也「…きっと先輩は知ったんですよね」
「…え」
和也「葵の秘密。」
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強い覚悟を決めた、二宮の瞳。なのに、その奥には涙や悲しみが見える。
二宮は、全てを知った上でここにいた。きっと、そう決断するまで沢山沢山悩んで、私なんかじゃ想像も出来ないような苦しみを抱えて、ここにいることを選んだ。
そしてそれは、あの時二宮は、それだけの選択をせざる得なかったということだ。
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和也「先輩が来た時、」
「…」
和也「あー俺、やっぱりこの人のこと忘れるなんて無理なんだって。そう思った」
「…」
和也「でもそんな気持ちは今捨てるべきだから、俺はあの時泣いてた先輩を引き止めなかった」
「…」
和也「…だけど」
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話がプツン、と切れる。
二宮が少し苦しい表情を見せた後、顔を伏せた。
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和也「あなたを見る度、あの時の選択は本当に間違ってなかったのか、もっと違った選択があったんじゃないかって、分からなくなる」
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和也「自分の感情が、どうしてもコントロール出来なくなる」
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あぁ、もう。
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和也「自分から離れておいて、こんなの自分勝手すぎるけど」
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和也「もう一度貴方のことを、ーー…好きで居させてほしい」
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無理だよ、二宮。
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159.ちゃんと、分かってる。→←157.何で、今そんなこと言うの。
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向日葵(プロフ) - アカネさん» アカネさん最初から読んで下さるなんて嬉しい（；＿；）ほんとに部長〜って感じですよね、、大野部長ファンを敵に回した予感。（笑）嬉しいです、ありがとうございます(*´ω｀*) (2019年11月7日 19時) (
レス) id: 90ffcc1b58 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - こんばんは^_^最初から読み返してしまいました。笑笑 部長〜〜(´；ω；`)別れの決断ですね。まだまだ楽しみにお待ちしております(o^^o) (2019年11月7日 17時) (レス) id: eb4bbe80ec (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 智美さん» 智美さん長い期間待たせてしまい申し訳無いです(TT)私自身、本当にそう思いながら書き進めています(TT)どうかカプミルに出てくる全員がそれぞれどういう道を選んで歩き出すのか、見守ってやってくださいね♪ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 90ffcc1b58 (このIDを非表示/違反報告)
智美(プロフ) - 更新ありがとうございます(T-T) なんかもう皆の思いを考えるたら切なすぎて胸が苦しいです。どうか報われる日がきますように！ (2019年8月13日 1時) (レス) id: 7375d0c318 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2019年8月9日 21時
