課題を終わらせるために冒険しました！【オリジナル】 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:1,406 hit

第7話ページ8

ピィィンポォォン…

駅のホームでよく鳴るような音が2人の間に届く。

「…？なんか宅配くるって言ってたっけ？」

「姉貴じゃね？」

賀屋が納得の声を出すのと同時にドアを勢いよく開ける音が鳴る。

バァァン！！！！

ドカドカドカドカ…

「ハッアァアイ！可愛い弟たち！今日の昼飯はなんだい？！」

「卵無しの～」

「「オムラーイス」」

ウェーイと、からの卵パックを持ち上げる賀屋と皮が剥きかけの人参を持ち上げる美夜が真顔で言った。普通に怖い。目に光がない。

「うっわ…怖…つか、卵無しのオムライスってただのケチャップライスじゃん。」

「そうだよ。今日の昼飯はケチャップライス一品だけだ。喜べクソ女郎。」

「クソ女郎とはなんだクソ女郎とは。貴様の実の姉だぞ？そんな口の利き方をしていいと思っているのか…？！」

「ハッ…！笑わせるわ！僕を身代わり奴が俺の姉だと？ふざけるな！」

「あ、あの時は…すまない。」

「すまないで許されると思うな！あの時！あの時…お前が母さんのプリンを食わなければ僕は！僕は…3時間フルコースで怒られなかったのに…うぅっ…！」

美夜は頭から崩れ落ちる。人参が落ち、包丁を持ちながら手で目元を覆う。

「……」

「うぅっ…ヒック…」

「本当にすまない！」

『……なにこの茶番…』

あの、楽しいことが大好きな家系に生まれた賀屋でさえ思うほどだった。

『いや、まぁ、面白そうだったんだけどね…入りそびれちゃった☆外野から見ると変な奴らなんだな。俺らって。』

そんな、なんとも言えん空気の中賀屋は真屋に頼む。

「ねぇ、真屋姉ちゃん。卵買ってきてよ。俺らケチャップライス作っとくから。」

「…了解した。卵は何個必要だい？」

賀屋は目の前に指を3本立てて

「3パックでよろ！」

と、言った。
____
「美夜ぁ？いつまでそうしてんの？」

そう、美夜は現在進行形で先ほどの茶番のポーズをずっとしていた。

「いや、なんか、疲れてきて…久しぶりに悪ノリしたせいかな…あぁーこんなことしてねぇでさっさと宿題終えらせてぇ～！！」

「はは…しゃーない。昼飯食わんと頭回らんし、な？」

「お前の頭はなにをしても回らねぇだろ。」

「……」

ゴンッ！

賀屋が持っていた木ベラが美夜の頭に落ちた。

「ぃ"って！何すんだよ！」

「ごっめ～ん☆たまたま美夜の頭の上に落ちちゃった～☆ぺへぺろ☆」

「ぜってぇわざとだろ！いてぇんだけど？！」

「そっか！ざまぁ！」

賀屋は満遍の笑みで言った。