72.キミの瞳に映るのは ページ23
夢を見た。
俺と大光が入れ替わった夢。
夢の中で、俺のかわいい人と俺の顔した大光がイチャイチャしてて、大光の顔した俺はなにもできなくて、ただ見ているしかない。
なんであんな夢を見たんだろう。しかも、忘れることなく、今も鮮明に覚えてる。
泣きたいくらい切なくて、苦しくて。
俺のはたった一夜の夢だけど、大光は、ずっとこんな思いをしてるんだって、夢の中で初めて知った。
もし、現実の世界で、俺と大光の立場が逆だったら、俺はどうしていただろう。
諦められず、ずっと思い続けているだろうか。それとも、諦めて新しい恋を探すだろうか。
…バカみたいだけど、きっと俺も大光と同じ。
答えはたった一つしかない。
「矢花」
甘い声で俺の名を呼び、甘える俺だけの天使。
夢の中では、俺の顔した大光に、甘えていたけど。
この声も唇も、はにかんだ笑顔も、全部全部俺のもの。
大光がどれだけがんばったって、絶対に渡さない。
こんぴは、俺だけをみて、俺だけを好きでいてくれたら、それでいい。
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今「俺って、そんな信用ないんだ」
矢「いや、そういうわけじゃなくて」
今「じゃあ、どういうわけ?」
矢「いや、だから、その、こんぴがどうこうってことじゃなくて、俺が、まぁ、その、俺に自信がないっていうか」
今「バカじゃない?」
矢「え?」
今「そもそもなんでそんな夢みるのかわかんないけど、俺はどんな姿になってたって、矢花のこと、わかるよ」
矢「こんぴ…」
今「俺、見た目で好きになったわけじゃないから」
矢「…」
今「顔がたいこうでも、中身が矢花だったら、中身の矢花を好きになるよ」
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作者名:すもも | 作成日時:2020年4月24日 20時