67.まるごとLOVE ページ18
珍しいこともある。
こんぴがこんなにも積極的になるなんて。
だけど、なにがこんぴを突き動かしてるのか、わかっているだけに、もう可愛いやら愛しいやらで、俺の感情もかなり忙しくなっている。
あまりの感情の高ぶりに、思わずぎゅって抱きしめると、
「苦し…」
と、息継ぎをするこんぴに更に愛しさが増してくる。
こんなにも愛らしい天使が、陰キャ代表の俺を好きでいてくれる。
これはもう奇跡としか言いようがない。
それなのに、ちょっぴりイジワルしたくなるのは、どれだけ思われているのか、もっと実感したいから。
「今日はどうしたの？」
ホントはちゃんとわかってるのに。
「何かあった？」
ほんの少し頬をふくらませて、視線を逸らす。いつもポーカーフェイスを気取ってるくせに、俺の前では素直な感情。そういうところが、またかわいい。
「言ってくれないとわかんないよ、俺」
「…やなんだ」
「なにが？」
「たいこうとキスしたまんまなの」
「…」
「だって、矢花は俺のなのに」
あぁ、なんでこんぴはこんなにもかわいいんだろう。まっすぐ俺だけを見てくれて、俺だけを好きでいてくれる。
だから、俺もこんぴに負けないくらいの好きを、もっともっと伝えたい。
「心配しなくても、俺はこんぴのものだよ」
「…ん」
「俺がしたいのは、こんぴだけ」
それくらい、俺はこんぴが好きだから。
────────────────────────
矢「…」
今「…」
矢「今度さ」
今「うん」
矢「デート、しない？」
今「!?」
矢「いや？」
今「ううん」
矢「…よかった」
今「俺、楽しみにしてる」
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作者名：すもも | 作成日時：2020年4月24日 20時
