ただ、救いたいだけなのだ[Undartale]

償い。 ページ15

____地獄で燃えてしまえばいい。

　そんな言葉と共に放たれた無数の骨が、僕を貫く。何度も、何度も、何度も、何度も。

　避けようとしても避けられない。吐血しながら僕はサンズを見る。その憎しみに燃える蒼い瞳を。

　彼はただ、静かな怒りを揺らめかせて僕を見下ろしていた。


　「………ッッ！！！」

　そこで僕は飛び起きた。額や背中をジットリとした汗が伝う。

　僕の罪。虐殺の記憶がありありと蘇ってくる。忘れていたのか、忘れたかったのか。

　ガスター博士のもとからホームに帰ってきたとき、僕はママとパパと視線を合わせられなかった。だって僕は未来でママを殺したし、パパも僕のせいで死んだようなものだ。

　みんなからは心配されたが、笑って大丈夫だとごまかした。言えない。言えない。あんなにも惨い行いを、優しい彼等に告白できる訳がない。

　もう一度横になって目を瞑り、眠ろうとする。でも瞼の裏に、先程見た夢の光景が浮かんでくる。サンズの蒼い瞳をよくよく思い出せてしまう。

　ガスター博士のもとにいた幼いサンズは、僕のことは覚えていないようだった。ここは過去なので未来での出来事を知らないのは当然だが、彼はセーブ能力を使ったやり直しを察知出来ていたから、警戒してしまった。

　……僕はどうするべきなんだろう。この罪の意識は簡単に消えはすまい。あまりにも深く、僕のソウルにまで罪悪感が絡みついているようだ。でもずっとそのまま居る訳にもいかない。

　贖罪を、罪を償わなければ。何でもいい。Charaを救うことだってその一つになるだろう。許されるとは思っていないけれど、このままママとパパと仲良くできないなんていやだ。

　僕は過去で起きる悲劇を知っている。ならば、その悲劇を食い止めることだって出来る筈だ。そういう方針で罪を償っていきたい。そうすれば、この深い罪悪感を少しでも忘れられるだろうか。____未来で殺したみんなへの、せめてもの弔いになるだろうか。

日常への回帰。→←虐殺の記憶。

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