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「心配したんですからね…」
『ショッピが心配するなんて明日猫と犬が降ってくるよね』
「車内で抱かれたいんですか」
『シンパイシテクレテアリガトー』
目が割とガチだったよ。
上辺だけでもお礼を言うと彼ははぁ、と息を吐いたと思ったら額に唇を押しつけて車を発進する。
私はその時さほど気にかけてはいなかったのだが彼の心配症または過保護が急速に現れたのだった。
「あ、それ持ちますよ」
「1人で着替えられます?」
「ご飯食べさせますね」
『1人で出来ます!!!』
私は両腕骨折した訳ではないのだ。
しかし現在彼は私にと、箸に今日の夕飯を挟んだまま私が口を開けるのを待っている。
「利き手を骨折したのにですか?」
『左手でスプーン使えばいいでしょ?』
「A不器用なんに?」
こいつナチュラルに煽れるのか…!!
静かになった私を肯定と受け取ったのか、彼は未だにあーんをしてこようとする。
嫌、と拒絶すると彼は分かりやすく肩を竦めた。
「はぁ…どうなっても知りませんからね……」
『ひっ1人で食べれるから!』
脅そうとしたってそれには乗らないぞ!!
頑なに頷かない私に諦めてくれたのか、どこかに立ち去ろうと立ち上がる彼。
ようやく1人で食べさせてくれると左手でスプーンを掴もうとするとグイ、と背後から手がのびて無理矢理上を向かされた。
『へっ…?…んっ!??んんっ…!!』
突然の事に驚いた上に口をいつもより強く合わされて唇を舌でこじ開けられる。
あろうことか液体状になった食べ物を口内に舌で移され、上を向かされているためになんのストッパーもなく喉をそれは通過した。
『んっ……っ、はぁ、は、げほっ、』
コクン、と私の喉が動いたのを見計らって彼は口を離す。私達の間で銀色の糸が張って彼はまた自身の口に食べ物を詰めて顔を近づけた。
『ごめんなさ…っ!お願い、やめてっ…』
「……はぁ、もう」
必死に近づいてくる彼の肩を押すと私の思いが伝わったようで、彼の喉仏がゴクン、と動いた。
口に端から溢れている液体を拭おうとしたら舌で舐めとられる。
『……ホントにしんぺいさんのとこ連れてこっかな』
「それだけは」
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メイヴ - もうとっくに完結してしまっていますが、この作品に出会えて本当に良かったと思います!面白いし、私の大好きなケンカップルのお話で最高でした! (2022年8月22日 5時) (レス) @page17 id: 88bf36ee26 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 青年Aさんの寄生人がなくなってしまったから悲しいです。規制があったのでしょうか? (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - めっちゃこの作品好きです。 (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 青年Aさん» すみません!お返事遅くなりました○¬ してますしてます!してなくても読んでいる作品もあります! ぁ、覚えてくれているんですね照れます。自分のコメの実は双子でした!を見ていまだにニヤニヤしてます! (2021年4月2日 21時) (レス) id: 6ac43c38eb (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます、そう言って頂けて良かったです…!すみれいんさんは確か他の作品でもコメントを下さった方だと記憶しています。…すみれいんさんが覚えていなかったら少々恥ずかしいですが。どうぞどうぞ脳内で妄想を展開してくださいませ! (2021年2月28日 21時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
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