旧校舎のキュウケツキ (ページ7)

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深「あっ！」

…！！！

その声がすぐ隣から聞こえた。

ば、ばれた！？

わたしに向けられているのかもしれないと思ったその声は

深「翔太！俺朝から探してんのに今来たの〜？」

入り口にいる渡辺くんに向けられていた。

はぁ〜よかった〜……

と、安堵したのも束の間、重大なことに気付く。

渡辺くんと同じクラスだから気づかれる！！！！

ああどうかわたしだと気づかないで…！！

深「そういえばここのクラスはいないんだよね？」

渡「うん。このクラスにはあんな子見たことない。」

……気づいてない！！！！！

もしかしてわたし、この地味さが功を成したのか！

ああもうわたしこのまま隠れて生きていきます！

あーよかったともう一安心すると、あべくんがこっちをずっと見ていた。

「へっ？」

阿「来栖さんって、いつもネックレス付けてたっけ？」

どうやら、チェーンが襟からはみ出して見えていたみたい。

「あっううん。ちょっと御守りに…」

阿「そうなんだ、いいね」

ほんとは吸血鬼から身を守るために十字架付けてますなんて言えないので少し語尾があやふやになっちゃったけど、あべくんがかわいいスマイルを見せてくれたからいっか。

するとチャイムがなって先生が入ってきたので、あべくんは席に戻った。

副会長は先生に教室戻れと注意されていたし、渡辺くんはわたしとは遠い窓側の席に座ったので、もうわたしは吸血鬼とは関わることはないだろうなと、そう思った。

あ、結局英単語覚えれてない……。

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