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「ぇ…っと……」
聞きたいことがたくさんあるのに。いっぱいあるのに声が震えて出ない。
その時、ここのドアが開いた。
深「お待たせ〜」
そう言ってドアから入ってきた人は、3年生でよく顔が知られている人だった。私でも知ってるのは生徒会副会長であり、この学校の9人のイケメンの1人だからだ。残念ながら名前は出てこないけど。
深「この子?めっちゃカワイイじゃん!」
こういったチャラい人は女全員可愛く見えてるのだろうか。
それより渡辺くんと喋ってる感じ、渡辺くんが呼んだみたいだしこの人も…もしかして。
するとこっちにきた副会長はわたしをみて
深「ごめんね、すぐ忘れるから。」
と言って手でわたしの目の前を覆った。
………なに?
何かするわけでもなく、ただ目を覆われただけで。
「あの…なんですか?」
この状況がわからなさすぎて、あれほど出なかった声が出るようになった。
体もやっと動かせてその手を退けるよう抵抗をすると
深「…あれ?」
副会長は手を退け、一歩後ろに下がった。
深「ごめん、翔太。この子かかんない笑」
渡「…え?そんなことあるの?」
深「ん〜今まではなかった。俺力なくなっちゃったのかな?」
渡「は?それはやべえだろ」
深「だよね〜笑」
副会長はへらへらっと笑顔を浮かべて、渡辺くんが焦っている様子と会話を聞いていると、少し理解ができてきたかも知れない。
これもあり得ないことなんだけど。
副会長もお仲間で何か力を持っていて、それをわたしにかけようとしたのだろう。
そしてそれが失敗したと。
非現実的なことはおいといて、その力ってもしかして吸血鬼ということを知ってしまった人は死んでもらうよ的な?
もしかしてわたし、殺される?
ちらっと2人の様子を伺うと何かまだ話しているようだ。
…殺されるなんてごめんだ。
こんな地味で何も取り柄もない、教室の端に縮まっているようなわたしは生きていても意味はないのかもしれないが、死ぬとなるとわたしだってまだ生きていたい。
よし、わたしはここを出て逃げよう。
そーっとカバンを手に通し、こちらを見てる様子がないことを確認し、ドアに向かって走った。
ドアまですんなりいけてドアを開けた瞬間
深「あっ!」
とやっと声が聞こえたけど、後ろを気にせずもうダッシュだ。
この際渡辺くんが吸血鬼だったとかなんとかもう知らない、全部忘れるから許してくださいいいいい!
と心の中で祈りながら学校を後にした。
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ぱる(プロフ) - Emiさん» ありがとうございます!(*^^*) (2021年7月14日 18時) (レス) id: 5e5e60f556 (このIDを非表示/違反報告)
Emi(プロフ) - 凄く面白買ったです!続きも楽しみにしています。 (2021年7月14日 7時) (レス) id: 8313c6a07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱる | 作成日時:2021年6月22日 12時