旧校舎のキュウケツキ (ページ18)

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学校に近づいてくるにつれ、周りに同じ制服の人が増えてきた。

あっと気づいた時にはすでに遅く、ヒソヒソと話し声が聞こえる。

こうなることは予想できたのに回避しなかった自分が悪い。

ああ、これを避けて生きてきたのに…

今ではキュウケツキの印象を1番に感じる3人だったが普段はこの学校のイケメン男子たちでありキラキラの一軍男子たちだ。

そんなことはつゆ知らずの3人はまたねと1年の階に去っていった。

教室に入って席に座るといつものように阿部くんがきてくれて。

阿「おはよう、なんか元気ない？」

「おはよ〜、そんなことないよ」

阿「そう？」

朝から女子の妬みを受けました〜なんて言えないよねえ…

阿「翔太にあげすぎてもダメだからね」

ダメと人差し指同士でバッテンをつくる阿部くんはそれはそれは可愛くて今日も癒しだなあと頭にお納めしました。はい。

ところでなんで渡辺くん？

阿「貧血で元気ないのかと思って」

そこまで言われてやっと気づく。血をあげる約束したから阿部くんは心配してくれているんだ。

「大丈夫。心配してくれてありがとう」

こんなにわたしのことを気にかけてくれるなんて…

なんて優しい人なのだ阿部くんは…

……阿部くんもキュウケツキなのか。

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