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停電。arym ページ5

ありやま

ゴロゴロと雷の落ちる音がする。
ヘッドホンでガンガンに音楽を聞いていても聞こえるほど大きな音だ。
音がしてすぐ山田の家の電気が消え真っ暗になってしまった。

「山田ー懐中電灯ない?」
「…」
山田からの返事はない。

「山田?」
「…ちゃ…だいちゃん!」
「山田?どうした?」
「どこ?だいちゃんどこ!?」
折角一緒にいれるのにゲームかよとさっきまで膨れて穴が空くほど山田を見ていたためなんとなくどの辺にいるかは把握している。

「だいちゃん!だいちゃん!」
一方山田は不安そうな声で叫んでいる。
「山田、ここ」
そう言いながら手探りで山田のもとに行き肩に手を置くと一瞬ビクッとしたが安心したようだ。
「だいちゃ…ふふふ、やっぱりだいちゃんの近くは落ち着くな。安心する」
「そう?よかった。」
山田が素直だ!!!…可愛い。

「だいちゃん。頭撫でて?」
山田がいつもなら絶対言わないであろうセリフを言うもんだから驚いて固まってしまった。
俺が動かないから不安になったのか
「…だいちゃん?」
と再び山田の不安定な声が聞こえる。
「ああ、ごめんごめんお前があんまり可愛いこというからさ」
そう言いながら頭を撫でてやった。

すると少し悲しそうな小さな声で
「…だいちゃんて誰にでもこんなことするの?」
と山田が聞いてきた。
「こんなことしねーよ」
「知念にも?」
「うん」
「伊野尾ちゃんにも?」
「うん」
なんでここで他のメンバーの名前が出るんだろと不思議に思う。

「えへへ。嬉しい。俺だけ特別だね」

このとき俺は明るいところで山田の笑顔が見られなかったことを嘆いた。
絶対可愛いじゃんっ!!!泣

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作者名:いちにーぜろぜろ。 | 作成日時:2019年9月28日 13時

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