くすぐったい＿sgi ページ10
「そう言えばさ、Aちゃんってくすぐり弱かったりする？」
須貝さんに話し掛けられたと思えば、なんとも小・中学生の雰囲気が感じられる内容で私は少し驚く。
いや、その驚きはその内容だからこそなのかもしれない。
仕方ないだろう、私はとてつもなくくすぐりに弱いのだから。
何も答えずに固まっていれば、須貝さんはニヤつきながらこちらへ迫ってくる。
『ひゃぅ…っっ！』
我ながら変な声が出たと思い、恥ずかしくなる。
仕方ない、本当にくすぐったかったんだから。
『ちょっと須貝さん！』
私が反抗すれば、私をくすぐった張本人はにやにやと笑っている。
「いやー、Aちゃん効くんだ？」
割りと黒めの笑みを浮かべてらっしゃる須貝さんを見て、私は嫌な予感しかしていない。
『ほんっとに止めてください！』
私が全力で逃げようとするも、もちろんこの人に敵うはずなんてなく、すんなりと捕まえられてしまう。
『ひっ、ゃ、あっ、ちょっ、っと！』
須貝さんからのこちょこちょ攻撃に私は笑いと声を抑えられず、必死になって抵抗する。
全く須貝さんに影響は無さそうだけれど。
さすが普段から地道に運動しているだけあると思う。
くすぐったいと思う最中、なぜか思考だけは変な方向に飛んでいる。
いや、最初はどう逃れようかと考えていたのだけれど、もはや諦めてしまったのだ。
「あー、ごめん。やり過ぎたわ」
目に薄く涙を浮かべる私を見て、須貝さんがようやく私を解放してくれる。
『須貝さん、嫌いになりますよ……』
私がジトッとした目で睨めば須貝さんは、ごめんごめんと何とも明るい声で返す。
反省の色が全く見られない、というか当人に反省する気など無いのだろう。
「ごめんって。好きな子にはイタズラしちゃうってことで、許して？」
須貝さんが明るい口調で言うものだから、私は一瞬聞き流しかけてしまった。
『仕方ないですね……許します…ってあれ？』
「ん？どうかしたん？」
そう私に尋ねる須貝さんの声と顔はいまだに明るい。
『いや、何でもないです。須貝さんに免じて許します』
結局、核心を突いた質問はできず、私は須貝さんに努めて明るく返す。
本気かどうかも分からないのに。
どうしてこうも心臓は鳴り止まないのだろうか。
＿＿＿
スルーされちゃったか、頑張ったつもりなのに。
そんなことを彼が呟くまであと数秒。
ラッキーカラー
あずきいろ
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R - 初めまして！読まさせて頂きました。リクエストをしても良いですか？もし良いのであれば夢主が失恋して砂川さんに相談したら付き合うみたいな感じです（？）よろしくお願いいたします！ (2021年10月9日 7時) (
レス) id: 25d77a33b7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]おおよそ一年ぶりの更新です。長く間が空いてしまいましたが、少しずつ更新していくかもしれません。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: 6a4f573938 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]ただ好きと隙はイントネーション同じだけど鋤は違うのが難点ですね。 (2019年7月2日 22時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - 更新まで間が開き、大変申し訳ございません！ (2019年6月29日 8時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - 月乃さん» リクエストありがとうございます！大人っぽいこうちゃんのお話ですね。書かせていただきます！ (2019年4月17日 7時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年2月11日 8時
