71 ページ31
.
「…えっと、鬱島さん？」
「…………」
「し、死んでる…」
いくら声掛けても起きない
え、待って本当に死んでない？
ここまで起きないってなると本当に怖いよ？！
「生きてたら返事して…はやく」
「………………………」
返事もしない
隣の捏島孝行を見ても、ニヤニヤしながらこっちを見るだけ
…まさか、私が鬱島大を殺したから面白がってる？！
全然あるぞ
私が知ってる捏島孝行はヒロインが自分以外の人間を殺したことを喜んでるシーンもあったくらいには気持ち悪い
いや、でもあれはヒロインが他の人との関係を自ら断ち切ったことに喜んでたような…
「お前らやりすぎや」
私が結構真面目に考えてるとき、桃瀬豚平がこちらにやってきて捏島孝行と鬱島大を叩いた
「トントン手加減してや」
「せやぞ。俺は怪我人やぞ」
「流石にいまさっきの大先生キモかったで」
普通に起きて痛そうにしてる鬱島大
「…もう私テント戻ります」
普通にムカつくのもあるけど、攻略キャラ集まりすぎ
「Aちゃんごめんって〜まだここ居って」
「長時間ここに居ても迷惑だし、謝罪が冗談っぽく聞こえる」
私は救護テントから去った
桃瀬豚平からなにか手紙を受け取って
「…なんだこれ」
少しテントから離れた所で桃瀬豚平から貰った物を見る
端が黄緑色で飾られたシンプルなメモ帳
そこに書いてあったのは
「……昼食休憩のときに体育館裏に来て…か」
桃瀬豚平からだし、生徒会からの物だろう
桃瀬豚平自身が私に用がある場合、いまさっき直接言えば良いし…他の人かな
私はメモをポケットの中に入れてテントへ戻った
＿＿＿＿＿＿＿＿
「Aさん！ちょっと来てくれる？！」
「え、私？！」
男子の借り物競争を見ながらぐったりしていると、海賊のコスプレをしたともさんがこっちに走ってきた
無駄に似合うのムカつくな
私のコスプレと違ってな！
「俺お題が“借り物競争で1番コスプレが可愛い女の子”っていうお題で…」
「他を当たってくれますか？」
「頼む！Aちゃんにしか頼れない！」
ともさんは手を合わせて“お願い！何か奢るから！”と言う
…なるほど、奢ってもらえる…ね
「じゃあ奢るのは良いんで今度買い物行くんで荷物もってください！」
「うぅ…分かった、じゃあ片足俺の足と…」
「分かった」
私はともさんの片足と私の片足を離れないようにテープで固定し、二人三脚で走った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薊(プロフ) - はゆりさん» 報告ありがとうございます。直しておきますね。 (5月12日 9時) (
レス) id: 7fce24f1a6 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - コメント失礼します。面白くて一気読みしちゃいました！あと83話多分最後のシーン、名前が変更されていません。 (5月11日 23時) (レス) @page43 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
薊(プロフ) - 名無しの高校生さん» コメントありがとうございます。設定や世界観はけっこう頑張って考えてたのでそう言ってもらえて嬉しいです。これからもできるだけたくさん更新するので見ていただければ嬉しいです。 (2023年4月5日 7時) (レス) id: ea13576d57 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの高校生 - お話の展開が面白くてとても好きです。設定も世界観も私の好みで楽しく拝見させていただきました。無理せず更新して頂けると嬉しいです。作者様のこと陰ながら応援させていただきます。 (2023年4月5日 1時) (レス) @page31 id: ed930c6c24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薊 | 作成日時：2023年3月16日 21時
