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区役所から家に着いて。
目に見えて変わることなんて何もなく
いつもと同じようにふたり、
並んで眠った。
そして、朝が来て。
珍しく、
たかが先に起きていて驚いた私。
西「おはよ。」
「おはよ。」
たかの目を見てそう答えると、
ぎゅっと抱き寄せられる。
「たか？」
西「A。」
腕の中からたかを見上げる。
「ん？」
西「今、俺すっげぇ幸せ。」
重なる唇。
啄むようなキスがだんだん深くなる。
今まで数えきれないくらいキスをしたし、
体も重ねたけど。
いつも、今でもドキドキする。
胸がきゅっとなって
切なくて、どこか苦しい。
この満たされた日々はいつか、
この手をすり抜けて行ってしまわないか？
これは夢で、目が覚めたら
ひどい現実が待っているんじゃないか？
どうしようもなく不安になる、
うまく言葉に表すことのできないこの気持ちに
名前はあるのだろうか。
そんな考えも、
キスに酔ってしまえばふわりと消えるのに
いつの間にかまたどこからかやってくる。
だからいつもみたいに
たかにぎゅっとしがみつく。
西「どした？」
優しいその声にただ無言で首を横に振ると、
何も言わずにぎゅっと抱きしめる腕に力を込めたたか。
とくんとくんと刻むたかの鼓動を感じながら
ざわざわと波紋をひろげている心を落ち着かせる。
「…もう大丈夫。」
西「そう？」
「うん、ありがとう。」
西「じゃ支度しよう？」
「はい。」
ぽんとひとつ頭を撫でてくれる
大きな手と穏やかな笑み。
きっと何もかもお見通しなんだよね…。
そして二人で家を出る。
「どこ行くの？」
西「ん？久々に鎌倉。」
「今日お天気もいいし、帰りに海見たいな。」
西「了解。」
サングラスをかけてハンドルを握るたか。
1時間と少し、車を走らせて着いたのは
拓海さんとかなさんのお店。
お店の入り口に向かうのかと思えば
今日はこっちから入ってって言われてるんだと
裏口へ向かう。
ドアを開けると、
かなさんが待っていてくれた。
か「隆弘くん、Aちゃん！
いらっしゃい。」
西「かなさん。今日はよろしくお願いします。」
か「うん、任せて。さ、Aちゃんはこっち！」
「え？…はい。」
私がここでお世話になっていた時に
使わせてもらっていた部屋の前に
案内してくれたかなさん。
か「開けてみて。」
微笑むかなさんに言われて、
不思議な思いで私はドアを開けた。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
