386 side Nissy ページ36
西「じゃあ…。
面倒くさいのは、お互い様。
この怪我も、俺にとっては
Aを守れた証。」
小さく頷いたA。
西「でもさ。
もし…Aがまた傷ついてたら、
俺は俺を許せなかったと思う。
一緒にいる未来を
諦めてたかもしれない。
だから、これは。
俺で良かったんだよ。」
服の下に隠れた右腕の傷の上に、
Aの手を乗せる。
西「体の傷はちゃんと治るから。
このことで、もうAが気に病むことはない。
わかった？」
「はい。」
返事をしたAにちょっともたれかかる。
西「なんてかっこつけてみたけど、さ。
傷がっていうか…
腰もちょっと限界かも…。」
座ってるのも辛くなってきた、
と正直に言えばAの顔が
今までの不安そうな顔から慌てた顔に変わる。
「それ、早く言ってください！」
こうなると、
Aは自分のことより
俺のことに頭が切り替わるのだろう。
今日は入浴禁止といわれてる俺のために
Aが体を拭いてくれた。
動かして傷が開くと大変だと
着替えまで手伝ってもらってベッドに横になる。
鈍い痛みが腕からも腰からも伝わってくる。
喉の違和感もじわじわと増していて
久しぶりに体が悲鳴を上げる。
薬を飲んで横になったら
なんだか張りつめていたものが和らいで、
とたんに眠気が襲ってくる。
すぐ近くにAの気配を感じるから
痛む体と反対に心は穏やかだった。
次の日。
全身を襲う倦怠感に
俺はベッドから起き上がることができなかった。
腰の痛みに加え、
腕の傷から来るのか
割と高めの熱。
ぼんやりとした意識の中で、
Aが汗を拭いてくれたり
水分を摂らせてくれてるのが
わかった。
渡されるまま薬を飲んで寝て
目を覚まして、
水分を摂ってまた眠る。
俺が目を覚ますときには
いつもAの姿がそこにあった。
でも次に目を覚ました時には
Aがいないかもなんて思ってしまって、
その手を握る。
ここにいてほしい
どこにも行くな
もう離れたくない
夢と現実の狭間で
心の奥底にある願望を口にしてしまってるとは
思いもせずにただひたすら眠った。
そしてまた目を覚ますと、
ベッドに伏せるように眠っているAがいた。
その手は
俺の手と重なっていた。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
