363 side Nissy ページ13
明日はとうとう
一人でドームに立つ日だ。
今日もリハが終わって
家に向かうのは深夜だけど
足取りは軽い。
Aが家にいるから。
でも流石に寝てるだろうと
連絡もせずに玄関を開けた。
灯りがついた部屋に
ただいま、と帰るのがこんなにも嬉しい。
でも。
ライブが終わったら
Aはまた鎌倉に戻るのだろうか…？
またここで、
前みたい一緒に暮らせるのは
いつ？
そんなことを考えながら
そっとドアを開ける。
静かな部屋で
ソファで眠ってしまってるA。
「ただいま。」
小さな声で
その寝顔に告げると
明らかに泣いたであろう瞼の腫れ。
今日は長瀬さんとお墓参りに行くって言ってた。
なんかあったんだろうか？
気になりつつも、
起こすわけにもいかず。
Aをそのままにシャワーに入り、
Aのそばで今日のリハ映像をチェックする。
「…ん、あれ？
たか？
え、何時？
あ…おかえり。」
西「ただいま。
またここで寝てる…
ベッドで寝ないと風邪引くよ。」
頭をそっとなでてやると、
気持ちよさそうにまた目を閉じるA。
「んー。たかも寝るなら…寝る。」
西「まだちょっと、かかる、かな。」
じゃ、待ってる
なんていうAの頭を
膝の上に乗せると
嬉しそうに頬を擦り寄せるA。
「早く寝ないとだめですよ。
明日本番なんですからね。」
下から俺を見上げながら、
あの頃のような口調でそう言うA。
西「はいはい。わかってます。」
「ほんとに？」
視線を画面に戻しながら、
頷く。
「ならいいけど…、」
その言葉に返事をしたのかも
定かじゃないけど
膝の上の温かい重みを感じながら
画面の中の映像に集中していく。
一段落ついて、ふぅと息を吐く？
俺の膝の上で
すやすやと眠るA。
その頬にそっと触れる。
「A、ベッド行こう？」
何回か声をかける。
抱いて運んであげたいけど、
今のギリギリの状態の腰に
負担をかけられない。
「おわ、…た？」
西「うん。」
「たかは、寝れそう？」
西「どうかな？疲れてはいるんだけど。」
二人でベッドに横になると
Aが俺の方へ体を向けて
そっと抱きしめてくれた。
「大丈夫。きっとうまくいく。」
西「うん。」
「たかには、みんなついてる。」
西「そう、だな…。」
うん、というように
俺を抱きしめるAの腕の力か
少し強まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
