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チ「にっしーのマネージャーを
任せることができるのは、現状、
速水しかいないと思います。だから・・・。」



社長は、西島さんに言う。
そして私にも。


社長「今すぐ結論なんて出ないだろ?

向こうも、
何かの条件を言ってきたわけじゃない。


でも、何かあった時は。


俺は会社としての最善の決断を
下そうと思ってる。


それが速水さんにとって
良くない事である可能性もある。
それなりに覚悟だけはしておいてほしい。」



「わかりました。」


西「それなりの覚悟って…。」


社長「速水さんは、お前とは違う。

彼女はavexの社員だ。


上の決定に従えない時は、
どうするか、
彼女自身がよくわかってると思うよ。」


どうするか…、そんなの。
ずっと前から覚悟はしてきたことだ。


「はい。」


返事をした私に、


西「何だよそれっ!」


西島さんは机をダンッと叩く。



「西島さん。
私は大丈夫ですから。

まだ、何も決まってません。」


西島さんは肘を両膝について、
組んだ手をおでこにつけた。


自分を落ち着かせようとしてるのか、
ふぅっと長い息を吐く。



速水さんはもういいよ、
という社長の言葉に立ち上がる私。


ドアのところで振り返ると、
私をじっと見てる西島さん。



私はその視線に笑みで返して、
社長に会釈をして部屋をでた。



「それなりの覚悟、か。」



一人きりのエレベータの中。
数字が減っていくのを見ながら、
ぽつりと出た言葉。



マネージャーを辞める。
会社を辞める。
西島さんと離れる。



何故か涙もでなくて。


どこか遠いところで起きてるような、
変な感じ。
でもこれは現実だ。


自分のデスクに戻るとなにも変わらず
仕事をする同じ部署の仲間たち。


この中に朱里さんと繋がってる人がいるなら、
私が社長に呼び出されたことも、
朱里さんはもう知ってるのかな。


だとしたら、
朱里さんはこのあとどうするんだろう。


ぼんやりした頭のまま
パソコンの電源を入れようとして、
自分の指が震えてるのがわかる。


「あ…。」



さ「A?真っ青だよ。

やっぱり西島さんとのことだった?」


隣の席に座ってるさくらさんに
声をかけられる。



「さくらさん…。

あの…。
…ううん、ごめん大丈夫。」



さ「大丈夫って…、そんな顔してるのに…。」


全部話してしまえたら、
楽になるかな。

でも…
まだ言えない。

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作品ジャンル:恋愛
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます!続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります!隆ヒーロー…隆弘っ!早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年2月25日 8時

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