230 side Nissy ページ30
西「俺とAの初デートの場所。」
「初デート？」
西「忘れちゃった？」
「あの海…？」
西「正解！」
ハンドルを握りながら、
片方の手でAの頭を撫でる。
西「年末年始ってどうしても
人と会う事が多くて、
疲れるから。
自然に触れたくなる。」
俺がそう言うと、
「わかる気がします。
空気、ちゃんと吸ってない感じっていうか。」
俺が感じてる息苦しさ、
Aも同じように感じてたってだけで嬉しくなる。
西「わかる？そうなんだよ。
新鮮な空気、
吸いたい感覚。」
あの海に行くのは2回目。
初デートとはいえ、
あの時はまだ付き合ってもなくて。
中途半端な俺に
無理やり付き合わせてた。
あの時と同じで
途中コンビニによって。
お菓子やコーヒーを買って。
カーステで音楽をかけて歌いながら、
ドライブをする。
楽しそうなAの顔を見ると、
俺まで嬉しい。
西「あ、そうだ。
ツアーのセトリ考えるときに
Aに歌いたい曲があったんだ。」
信号待ちで、
その曲を選ぶ。
久しぶりに、
Aのために歌う。
優しいイントロが流れる。
すっ、と息を吸う。
【ほほえみの咲く場所
いつの日か聴かせたい僕だけの歌
交わす言葉や見せる笑顔の
ひとつひとつが歌になる】
少しだけ照れくさい。
【大人ぶったふりで 遠ざかる時もあったね
わがままなところは 今でもなおらない
だけどどんな時も いつでも見守ってくれた
その大きな優しさに ようやく気がつく
一人で痛みを抱けば
微笑みの花また枯れた
傷つきたい人などいない
痛みは痛みじゃ消せやしない
抱えきれない哀しみは
涙にして流せば良いさ
その雨で微笑みの種
芽を出せば後は花咲かすだけ
その花を抱き共に笑おう】
辛いことが多い毎日。
ただ一緒にいたいだけなのに、
そうさせてくれない現実。
小さな幸せも、
二人で咲かせればきっと
大きな幸せになる。
【あの日えがいていた
自分になれているかな
歩幅に見合うほど なれてないみたいだ
遠すぎる理想に
立ちくらみすらするけど
それでも「らしい」生き方 見つけた気がする】
Aがいれば、
俺は俺らしくいられる。
やりたいことを形にするために、
前を向ける。
もがいて悩んで遠回りするけど。
そんな道のりもすべて
笑い合える未来への糧になる。
だから、
二人で。
【そのカケラを探そう】
幸せのカケラを探そう。
そんな気持ちを込めて、
歌った。
231 side Nissy→←229 side Nissy
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
