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そして、明日はとうとう
紅白とNYPという日。


紅白のリハは1日がかりだ。


その隙間をぬって
西島さんの目に触れないように私は
社長に会うアポを取った。



他の所属アーティストも出演するから、
松浦社長も現場に視察に来るという。





「お忙しい中、お時間を作って頂き、
ありがとうございます。」


小さな部屋で向かい合う私と社長。


社長「いや、大丈夫だよ。

西島はどう?」




「今は仕事に集中できている、


と思います。」




社長「君のサポートのおかげだな。」




「いえ…。

あの…
この前の件なんですが。



私、朱里さんと話をします。

朱里さんの目的は、
私です。

メンバーにも、会社にも、
これ以上迷惑をかけられません。」



目を閉じながら聞いていた社長が、
不意に私に問いかける。




社長「速水さんはさ。


西島とAAA、どっちを取る?」



思いもよらない質問に
ちょっと考えて、口を開く。



「申し訳ありません。


その質問には答えられません。」




どういうこと?とさらに問う社長。




「AAAは西島さんに必要で、
大切な場所です。
私がどっちを取るなんてできません。


でも。


私の未来と西島さんの未来、
どちらを取るかと聞かれれば、



西島さんの未来だと答えます。」




目を見開いた社長が言う。



社長「君は強いな。」




「強くなんかないです。


でももし、そう見えるのなら。
それは西島さんのおかげです。


私、avexに入社できて、
西島さんと出逢って、
初めて生きることの意味を知りました。



もし私が強く見えるのなら、
それは私が西島さんを…好きだから。
愛しているからだと思います。


だから、私を採用してくださった社長には
感謝してます。」



目を閉じれば、
西島さんの笑顔が浮かんでくる。
そうすると、私も笑顔になる。



人を愛すること。
それはどんなことにも立ち向かう勇気をくれる。
辛いことも悲しいことも、
その人を思うだけで半減する。


「西島さんは、
優しい人だから。
嘘がつけない人だから。
仕事が大好きだから。
そして、私を好きでいてくれるから。


きっと、私と、
私以外のこととの間で
苦しむ。


それくらいちゃんと
想ってもらえてる自覚はあるんです。」




社長「そうか…。」



「はい、
なんかすみません、自分の思いばかり
話してしまって。」



いや、いいんだよ、


と社長は何かを考えてる様子で、
腕組みをして宙を見つめていた。

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設定タグ:AAA , 西島隆弘 , Nissy   
作品ジャンル:恋愛
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます!続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります!隆ヒーロー…隆弘っ!早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年2月25日 8時

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