194 side Nissy ページ44
隣に寝てるAは、
何度もうなされ、寝てるのに涙を流す。
その細い体を抱き寄せ
大丈夫、大丈夫と
背中をなでると、ふっと力が抜けて
また寝息が聞こえてくる。
どこにも行かないで、と
言うようにその小さな手は
俺の服をきゅっと握り
頬をすり寄せてくる。
ここにいる、と
伝わるように抱きしめなおして
俺も目を閉じる。
そして、
夜が明ける。
「…きてください。
西島さーん。
起きてください！
もう…西島さんっ！
あーさー！」
西「…ん…あと、ちょっと…」
「もうだめ！
さっきもそう言いました。」
うすーく目を開けると、
両手を腰に当てて、
困った顔のA。
西「西島さん呼び、
ばっかりだね、最近。」
また目を閉じてそう言えば。
ベッドが少し沈んで、
多分そこに腰掛けたAが。
「たか…。
帰ってきたの知らなかった。
ベッドに運んでくれたんだよね？
ごめん。私…。」
ゆっくり起き上がって、
後ろから抱きしめる。
西「ただいま。」
うん、と頷くA。
「私…何となく覚えてるんだけど。
昨日…たくさん迷惑かけた、よね？」
西「ん。 いびき、かいてた。」
「うそっ！？」
すごい勢いで振り向いたA。
「…うそ。
俺こそごめん。
遅くなって。」
もうっ、と少し拗ねた顔をするA。
西「迷惑かけたなんて言うな。
何かあったんだろ？
それもあって、
ああいうふうになってたなら
そばにいなかった俺が悪い。」
再び俺に背を向けたAが、
俺の手に自分の手を重ねる。
「たかを信じてて、いいんだよね。」
西「そんなの当たり前。
なあ、何があったか話せる？」
しばらくじっと考えるように
俯いたA。
「ここに帰ってきてくれたから、
それだけでいい。」
よくない。
そう言うと
Aの体が少しだけ強張る。
「あの…ね…。」
意識して、
呼吸を整えようとしてるのがわかる。
「朱里さんから、
連絡があって…。
それで。
西島さんは…帰ってこないって…。
実彩子さんのとこ…
…っ、行くんだ…って…。」
乱れていく呼吸の合間に、
話そうとするAを止める。
西「ごめん。
やっぱりいい。
いいよ、もう。
ゆっくり、
呼吸して、そう。
ゆっくり。」
はぁー、はぁー、と
息を吐くAは、眉を寄せて、
苦しそうな顔をしてる。
「略奪…したぶん。
略奪されればいいって。」
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
