歩む道。4

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慌ただしい12月。
急きょ事務所に集合するように言われた
メンバー達。



西「なんだろな？


わざわざ集まらなくても、
明日も明後日もグループの仕事だろ？」



移動の車の中で、
浮かない顔してるな
と西島さんに言われてる私。




西「言えないこと？」



「…すみません、私からは。」



西「そっか。」



微妙な顔した西島さんと一緒に
会議室に入ると
チーフに、部長。
そして、社長に専務。
他にも普段は会うこともない
重役と呼ばれる方々。



何が起こるのかと神妙な顔をしてるメンバー。




チ「全員、揃ったね。


今日集まってもらったのは…」




口を開いたチーフにの言葉を遮ったのは、
千晃さんだった。




千「自分で言わせてください。



私…。
私ね…。」




少しだけ俯いて、
でも、心を決めたように前を向く。



千「AAAを卒業、
させてください。



私…妊娠したの。

だから。


結婚して、AAAを辞める。」




西島さんも他のメンバーも、
ただ、驚いていて。




しばらくの間、誰も言葉を発しなかった。



誰も何も言えずにいたところに、




実「ごめん…。」


そう言って会議室を出ていった実彩子さん。



それを追いかけたさくらさんの表情も、
見送る千晃さんも
とても辛そうだった。




社「しばらくは大変だけど、
みんなで協力して、頑張って。


直也。
頼むな。」



浦「…はい。」



部長「みんなも、
写真撮られたりしないようにな。

マスコミには気をつけるように。
これ以上はグループ存続に関わる。」



無言のメンバーを置いて
社長をはじめ、重役達は会議室を出ていった。






そして。




「西島さん。


そろそろ移動しないと間に合いません。」




西「…え？あ、うん。」




ぼんやりしたままの西島さんに声をかける。


昨日のAAAスタッフミーティングで
言われた事実は
今日、メンバーにも衝撃を与えた。



千晃さんの卒業。
妊娠と結婚という事実。



昨日も、今日も、
千晃さんのマネージャーは
泣いていた。



正直、どうしたらいいのかわからない。



だけど。



これからどうしていくかは、
偉い人たちの間で既に決まっていたことが
更にショックだった。



卒業の時期。
仕事の方向性。
何を7人でやって、何を6人でやるか。


そして、
みさちあのツアー中止。

昨日私達に言われたことと同じことが、
メンバーにも伝えられた。



でも。



メンバーの意見はどこにあるのだろう。

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