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184 side Nissy ページ34

車が家についても、
眠ったままのA。


心配そうなふたりに、
お礼を言って部屋に戻る。



横抱きにしてたAを
そっとベッドに降ろしても、
目を覚ます気配はない。



ごめん、と言って
着替えをさせて楽な格好にしてやる。



そして自分もシャワーを浴びて、
Aの隣に寝転んだ。




明日は東京ドーム初日。




どうか、何事も起こらないようにと
願いながらAを抱き寄せ
目を閉じた。




西「ん…。」


手を伸ばしても
あるはずのぬくもりがない。
うっすら目を開けると、
隣にAの姿がなかった。



寝起きが悪いはずの俺の頭がぱっと覚醒する。


慌てて起きあがり
バタンとリビングに続くドアを開ける。



西「Aっ!」




「わぁっ!びっくりしたっ!」



シャワーを浴びたあとなのか、
濡れた髪をタオルで拭いていたA。



「おはようございます…って、

ちょっ…
どうしたの?」



Aがいなくなってしまったのかと思って
怖くなったとは言えず
無言でぎゅっと抱きしめる。



「たか?」



腕の中で俺の名前を呼ぶA。


返事をしない俺に向かって
顔を上げて、


「あの…昨日。
運んでくれたんだね。

…着替えも…その…してくれて…。
ありがとう。」



視線をおろしてAを見ると
顔を赤くしてるのが、
いつものAで何となく安心する。



西「真っ赤。」



抱きしめた腕を緩めて、
おでこをちょん、とつつく。



「だって…」



きっと、裸を見られたから
恥ずかしいって思ってるんだなと思うと
ちょっとからかいたくなる。



西「Aの体はもういろんなとこ、
全部見てるし?」




「ぜっ…!

もう!またそういうこと…っ!」



俺に何か言おうとするAの唇を
キスで塞ぐ。
ちゅっと、音を立てて離せば、
また真っ赤になってる。




西「かーわい。」



「ばか…。」



西「でも好き、だよな?」


その問いかけに
素直に無言で頷くところが、
たまらない。



そして。


こんなやり取りができてることが嬉しい。


昨日の今頃は
不安で不安で潰れてしまいそうだったから。



「好き。」



小さな声でそう言って、
俺の背中に手を回すA。



西「熱、下がったみたいだな。」



「うん。」



西「キスしたから、わかる。」



「それ…昨日も聞きました。」



西「そうだっけ?」



おでことおでこを合わせて
微笑みあった俺達は、
今この瞬間、とても幸せだった。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

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