183 side Nissy ページ33
肩から、腕から、手から。
Aの体温が伝わってきて、
まだ熱が下がりきってないことがわかる。
明日仕事させたくないな、
なんて考えてると。
さ「今日、今までのこと聞いて。
泣き疲れて寝ちゃうくらいのAを見て、
すごいムカついたんです、西島さんに。」
なんで、守ってあげないの？
なんで、助けてあげないの？
なんで、あの時あんなことを言ったの？
そんな言葉が聞こえてくるような、
怒りを含んだその声。
さ「だけどやっぱり…。
今こうして並んでる二人を見ると。
Aには西島さんしかいないんだって思います。」
悔しいけど…。
そう付け加えたさくらちゃんの頭を
花井がぽんぽんと撫でる。
さ「素のAっていうのか、
なんていうか。
Aって、いつもどこか気を張ってるようで
心の奥底はなかなか見せてくれてない。
優しくて、真面目で、
きれいなAしかみんな知らない。」
助手席からぽつりぽつりと聞こえる
さくらちゃんの呟く声。
さ「なんでAは、
こんなに傷つかなきゃいけないんだろう。
Aはなにひとつ、
悪くないのに。」
西「そう、だな。
俺も思うよ。
Aは何も、悪くない。
そして、Aに
普通の幸せを上げられるのは、
俺じゃない。
でもさ。
離したくないんだ。」
それまで黙っていた花井が言った。
花「それは…きっと。
Aちゃんも同じなんだろ？
辛くても苦しくても、
にっしーが好きだから、
ここにいるんだろ？」
辛くても苦しくても、か。
さ「Aをちゃんと守ってください。
これから、ずっと。
西島さんにしかできないから。
お願い…っ。」
声を震わせてるさくらちゃん。
花「俺が言うのもおかしいけど。
Aちゃんには、笑っててほしい。
だから、俺からも…
お願いします。」
運転しながら、そう言う花井。
Aのことを
こんなに思ってくれる人がいる。
それがすごく嬉しくて、
西「二人とも、ありがとな。」
そう言うのが精一杯だった。
病院で、
話したことを思い出せば。
Aはたぶん。
何かあったら
自分からここを去ることを選ぶだろう。
そのときはきっと。
全部置いてくんだ。
この二人との絆も。
きっと。
俺のためならそうするだろう。
それがわかるから、
そうさせないように、
そうならないように。
俺はやるべきことをするしかないんだ。
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
