175 side Nissy ページ25
直接言われたわけじゃないのに、
ぐさりと刺さる
逢いたくない
の言葉。
西「そこまで追い詰めたんだな。
最悪だな、俺…。」
項垂れる俺にさくらちゃんが言う。
さ「ホントですよ。
でも、
そんな西島さんをAは
必要としてるんです。
甘えたり頼ったりするのが苦手なあの子が
それをできる唯一の相手でしょ。
Aは私といる間ずっと。
西島さんの帽子をそばに
置いてましたよ。」
その言葉を聞いて、
涙が出そうになった。
さ「逢いたくないは、
逢いきてほしいの裏返し…
じゃないかなって私は思います。」
そんな話をしてる間に、
タクシーは病院へ着いた。
中に入ると
花井が待っていた。
花「お久しぶりです。
相変わらず、なんだね、
にっしーは。
Aちゃんが辛いときに、
そばにいない。」
嫌味たっぷりの亮介の言葉。
さくらちゃんに、
そんな言い方しないの、
と嗜められてる。
西「いや、ホントのことだから。
花井。
Aを…運んでくれて、
ありがとな。」
はい、と頷く花井。
花「帰ったら、ソファでAちゃんが
うなされててびっくりした。
たか、ごめん、って
繰り返し言ってたよ。
さくらがリハなのに、
Aちゃんがうちにいるってことは
なんかあったんだろ？」
さ「それはまた後で話すから。
で、Aは？」
花井の案内で、
Aの病室に向かう。
Aは点滴を受けながら眠っていた。
こういう光景を見るのは、
何度めだろう。
ぎゅーっと胸が痛い。
そっと近づくと、
Aのサラサラのきれいな長い髪は
バッサリ切られていた。
起きたらきっと、
そのきれいな髪は
顎のあたりで揺れるんだろうな。
そんなことを考えながら、
そっと頬の傷の上に貼られていたガーゼに触れる。
昨日見た切り傷がこの下にある。
大丈夫か、の一言も言えなかった。
花「看護師さんから、
説明があるって言われたけど
俺は話聞いてませんから。
ここからはにっしーに任せます。
さくら、帰ろう。」
Aを見つめたまま、
返事もしない俺を置いて二人は帰っていった。
176 side Nissy→←174 side Nissy
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 542人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
