137 ページ37
西「もー、なんでそんなこと言うかな？」
ぎゅーっと抱きしめられる。
西 「好きすぎて、苦しい。」
「やだな、どうしたんですか？」
そう返すと
また抱きしめられる力が強くなった気がする。
西「俺さ。さっき。
Aが、
Aの世界を広げていくこととか？
楽しむことが嬉しいって
思ってたんだ。
でも、そんなこと言われたら
やっぱり、
俺だけのものにしておきたくなる。」
言葉を選びながらなのか、
ゆっくり、ひと言ずつ
話す西島さん。
「いつだって、
私の世界の真ん中は
たかなんだと思う。」
私は閉じ込められた腕の中から
なんとか顔を上げて伝える。
西「ったく、ほんとにAはさ…。
天然なのか計算なのか。
俺を煽るの上手だよね。」
煽る？
そんなつもり、全然ない。
「思ったこと、言っただけです。」
西「そんなかわいいことばっか言ってると
襲うよ？」
返事をする間もなく、
塞がれる唇。
「ちょ…っ！んっ…ぁ、」
力が抜けるまでキスされる。
いつの間にかソファに押し倒されていて、
見上げる視界には西島さんと、
見慣れない天井。
西「そうだ、デートしよっか？」
いいこと思いついた、
みたいに笑顔で言う西島さん。
「デート？」
西「うん。
ちょっとだけ。
日本ほど目立たないし。
同じもの、飲んで、食べて、
見てこよう？」
私の体を引き起こしながら、
ニコニコしてる西島さんに
「…うん。」
迷いながら返事をした。
西島さんは
ゴソゴソと荷物を探って、
西「これをかけて？」
と私にメガネを渡す。
言われるがまま、それをかける。
西「うん、かわいい。」
クシャッと笑って
自分も帽子とサングラスをする。
西「行こ！」
戸惑う私の手をとり、
ホテルの外へと踏み出した。
夜も深まり、
さっきよりも活気に満ちた夜市を二人で歩く。
屋台で食べて、飲んで、
感想を言いあったり、
面白い顔の雑貨を見て笑ったり。
誰かに見られるかもという不安で
いっぱいだった心がいつの間にか軽くなる。
サングラスで、
そのきれいな目は見えない。
でも。笑っている口元が
西島さんも楽しんでくれてるんだって、
嬉しくなる。
賑やかな街の中、
人もたくさんいる中
西島さんと歩いてるのが不思議だった。
西「ね？意外にバレないでしょ。」
楽しそうに私に問いかける西島さんに、
私は大きく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 575人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます！できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります！ (2018年12月25日 8時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます！色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします！ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます！年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって！！最高です！コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ！！大好きです！ (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2018年10月14日 21時
