134 side Nissy ページ34
西「帰ろっか。」
「仕事は？」
西「うん、とりあえず。」
「そうですか。」
そのままの姿勢で交わす言葉は、
短いものだけど、
ちゃんと伝わる感覚。
「西島さん？
離してくれないと帰れませんよ？」
西「わかってるんだけど…。」
身体が固まったみたいに動かない。
「震えてる。」
西「Aのほうが怖かったはずなのに、
俺…。怖くて。」
俺の腕の中で体を動かして、
俺の方を向いて背中に手を回してくれる。
何を言いたいか、
多分伝わってるんだ。
だからこそ、返ってくる声。
「ごめんなさい。心配かけて。
これからちゃんと、気をつけるね。
ここにいるために。」
色んなプレッシャーに押しつぶされそうな中、
最大の理解者であるAの存在が
俺の支え。
Aの首元に顔を埋め、
甘い香りを味わえば、
心が少しずつ落ち着いてくる。
西「ごめん、もう大丈夫。
帰ろう。」
二人で駐車場に向かい、
Aから奪うように車のキーを取り上げ、
助手席に押し込む。
「西島さ…」
西「もう、いいよ。」
「え？」
西「もう仕事、終わり。」
後ろのシートに置いてある
ブランケットをAにかければ
「ありがと。」
と笑ってくれる。
運転しながら
ふと思い出したことをAに聞こうと、
西「そういえば、
助けてくれた知り合いって誰？
お礼…」
と言ってAを見れば、
シートに凭れて眠ってしまっていた。
信号待ちで
手を伸ばして、
Aの頭をなでる。
昼間。
青白いかおでベッドにいるAを見て、
ほっとしたのに
怖かった。
また、Aに危害が加えられるのかと思った。
あの、色を無くしたような日々。
Aが目覚めなかった時のことを思い出した。
いつも、いつも。
痛い思いをするのはAで、
何もできないのは俺だ。
それにしても、
いったい何が起きようとしてる？
嫌な予感で心がいっぱいになる。
Aの存在は
俺の最大の強みであり、弱味でもある。
逆もそうだろう。
俺がいるから、
Aは立っていられるはず。
眠っているAの手を握ると、
あったかくて、
安心する。
手を引き、手を引かれ、
共に歩く。
俺達は
そんな未来がほしいだけなんだ。
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リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます！できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります！ (2018年12月25日 8時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます！色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします！ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます！年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって！！最高です！コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ！！大好きです！ (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2018年10月14日 21時
