75 side Nissy ページ25
バタバタと帰り支度をする俺に、
スタッフさんの一人が、一枚の紙を差し出した。
ス「これ、速水さんが帰ってから決まった事項です。
殴り書きですけど、
速水さんに渡してください。
速水さんに全部把握しててもらうと、
私達も助かるんで。」
俺より少し年上のその女性スタッフさんは、
いつも物怖じせず、
しっかり意見を言ってくれる人だ。
その人がこうして、
Aを気遣ってくれていることを
すごく嬉しく思った。
西「ありがとうございます。渡しておきます。」
「速水さんじゃないと
西島さんを制御できないですからね。」
と笑って言った。
西「そう、かもね。
じゃ、お先です。
お疲れ様でした。」
俺は急いで家に戻った。
あれから3時間近く経っていた。
帰る途中で電話を鳴らしてみても
全然繋がらなくて、変に気持ちが焦る。
西「ただいま。
A?」
玄関にAの靴がない。
部屋の中も真っ暗だ。
いないってわかってるのに、
寝室や仕事部屋を覗いてみる。
キッチンにもバスルームにも
どこにもAの姿がなかった。
西「A・・・。」
相変わらず繋がらない電話。
西「どこいったんだ?」
つぶやきが、
一人きりの部屋に響く。
そこへ俺のスマホが鳴る。
さくらちゃんからの着信で、
Aのことだと思い、すぐに電話に出る。
西「もしもし、さくらちゃん?」
さ「西島さん、さくらです。
あの、Aがっ、Aが…」
泣いてるのか、
何を話してるのかはっきり聞こえない。
西「もしもし、さくらちゃん?
Aは?」
と問いかけると、
電話の向こうの声が変わる。
花「もしもし、お久しぶりです。花井です。」
西「花井…?何で…。」
花「詳しい話は後で。
とにかく、Aちゃんが
病院に運ばれました。。
〇〇病院、わかります?
そこにいるので来れますか?」
西「すぐ行く。」
電話を切り、車を走らせる。
そう遠い距離じゃないのに、
何時間にも感じるこの時間。
A…。
A…。
ドクドクとなる自分の心臓の音。
落ち着かない心。
早く、Aの顔を見たい。
それだけを考えていた。
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リリィ(プロフ) - loversoul5296さん» うれしいコメントありがとうございます!同じ西島さん像を共有できて嬉しいです☆この先もよろしくお願いします! (2018年10月14日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます!3もスタートしましたので、これからも楽しんで頂けたら嬉しいです!最高にいい!の言葉、すっごく嬉しいです☆ (2018年10月14日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!頑張ります☆ (2018年10月14日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
loversoul5296(プロフ) - 凄く引き込まれますね。しかし切なすぎて苦しすぎて。そんな西島さんすらかっこよすぎて(笑)現実の西島さんがどんな恋愛するのかわからないけど、リアルな西島さんに大切にして貰える女性はきっと素敵な人だろうなって。完全に私の中の西島さんはこの西島さんです(笑) (2018年10月14日 0時) (レス) id: a5209292a1 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - いい!いい!最高にいい!幸せになってもらいたいです更新楽しみにしてます。 (2018年10月13日 11時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年8月21日 15時