歩む道。

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西「仕事以外で二人で出掛けるの、
いつぶりだろ？」


「ですね。何着てこうかなー？」


西「あ、それも、準備しちゃった。」


「え？」


西「後で見せるね。

もし、気に入れば、それ着てほしいな。」


ごきげんな西島さんの、
私を見つめる甘い視線にくらくらする。


甘やかすの宣言どおり、
本当になにもさせてもらえず、
あっという間に寝る時間。


寝る前に、
と見せてくれた西島さんが選んでくれた服は
サーモンピンクの上品なワンピース。
それに合わせた靴やバッグまで。


「素敵・・・。これ、全部西島さんが？」


西「うん、どうかな？

Aに似合うと思ったんだけど。」



「すごい…素敵です。

私なんかにはもったいないです」


西「あ、また私なんかって言う。
それと、敬語！

なおってないからね。」



「あ、ごめんなさい。」


その服を眺めていた私に、


西「明日、これ着てデートしでくれますか？

Aさん？」


西島さんが一歩下がって、
にこりと手を伸ばしてほほ笑んで私を見てる。


「はい！もちろん！」


私は迷わずその手をとる、


西「よし。じゃ、午前中はのんびりして、
午後からでかけよっか？」


「うん！」





その後、並んでベッドに入って、
手をつないだ時、ぼそっと西島さんが言う。


西「クリスマスも仕事で終わっちゃって
何もしてあげられなくて、ごめんな。」


「え？そんなの全然気にしないですよ。


だって忙しかったの私が一番よく知ってるもん。
それに、チームNissyのみんなと
ケーキも食べたし。

あんな楽しいクリスマス今までなかったよ？」


そう言って繋いだ手をぎゅっと握れば、
ぐっと抱き寄せられる体。


西「来年は、もっと楽しいクリスマスにしような。
再来年も。その次も。

その前にAの誕生日だね。」


「いやいや、そこ、めっちゃ忙しいです。

誕生日なんて、いいですよ。
私だって西島さんのお誕生日ちゃんと祝えてないし。」


西島さんは、いつも。
これからずっと、私達が一緒にいる前提で
先の話をしてくれる。


来年も、再来年も、その次も。


ほんとに一緒にいられるなかな？

不安になってぎゅっと、
西島さんの着てるTシャツを握る。


西「じゃ、明日。

全部まとめてお祝いしよ。」


「うん。楽しみだなぁ。」


それから他愛もない話をしながら、
西島さんの体温に包まれて、
温かくて幸せなのに、
ほんの少しの不安を抱え、
私は眠りに落ちていった。

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