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「…で？理由は？」
「特にありません」
「何かあったんだろ？」
「いえ、何も」
二宮先輩が運転席で大きなため息をつく。
合宿の帰り、私は「帰りもどうぞ」と言ってくれる櫻井先輩の車を断り
「一緒に帰ろうよ」と言ってくれたよっちゃんたちの誘いも断り
心底イヤそうな顔する二宮先輩の車に乗り込んだ。
「まあイチャコラする松本サンの車に乗りたくないのは分かるとしてもさ」
「…」
「俺の車より翔さんの高級車のほうがはるかに乗り心地良いはずなんですけど？」
「…」
乗り心地は良くても居心地が悪いんです。と
心の中で呟く。
「…まあ、そうせざるを得ない理由があるということなら、ある程度 推測はつくけど」
「ですから 推測なんて意味ないですよ。これといった理由が無いんですから」
「ふーん？」
「…」
「俺としては迷惑かけられないならどうでもいいことなんだけど。今のこの状態、結構迷惑」
「…」
「あーあ。帰りもゆったり気ままに帰れると思ってたのに」
「……それは、すみません」
二宮先輩というヒトは結構ズケズケ言うヒトだと分かってるけど。
言うわりに優しくないわけじゃないってことも知ってるけど。
迷惑。とこうもはっきり言われるとやっぱり少し落ち込むよね。
申し訳ないって思う気持ちがあるから 余計に。
でも今の私の状況を話そうものなら
櫻井先輩と付き合えば？とか言いそうじゃない？
「とりあえず試しに翔サンと付き合ってみたら？」
「…もう。
そんなことできるわけないじゃないですか」
ほら。やっぱり。
二宮先輩の考えることなんて
…って、…あれ？
「なるほど。あの人 ついに告ったんだ」
「……先輩、何 言って、」
え？…ついに、って？
「なるほどなるほど」
「違います！」
「なるほどねえ」
「…だからっ、」
「はいはい」
もう、サイアク。
「で、丁重にお断りをしたワケ？」
「…」
「そりゃ翔さんのトコにも乗りづれーわな」
「…」
ため息しか出ない。
「ダンマリか」
「…」
「フフ」
状況に納得したのか、先輩がそれ以上何か言うことはなくて
「…がんばってるのになあ、」
ついついこぼれ落ちた私の弱音に
「そうだな」と否定せず頷いてくれたりするものだから不覚にも泣き出しそうになる。
がんばるって何？
何のため？誰のため？
私の限界がきてる。そんな気がしてた。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
