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「…ごめんなさい」
「って言われることは想定内。
それでも今がキミを捕まえる最大のチャンスだと思ってる」
「…」
「他の誰かにさらわれる前にさらっちゃいたい」
「……誰もさらいませんよ、」
「それ本気で言ってんのなら、無自覚すぎて余計に心配」
視線から先輩の想いが熱のように伝わってくる。
でも。だけど。
「…ごめんなさい、私」
いつかは大野先輩の人生に必要な人間ではなかったんだからしかたない…、そう思える日が来るんだと思う。
でもそれはまだ今じゃないみたい。
「ソイツを思ったままでいいって言っても？」
視界がボヤける。
「…、」
慌ててポケットにハンカチを探すと
突然引き寄せられた身体は強く抱きしめられた。
「泣くならココで泣いてよ」
「…」
「他の男に見せたくない」
シトラスの香りにクラッとする。
こんなに愛おしげに抱きしめられているのに
どうしてこの人じゃダメなんだろう？
どうしてあの人がいいんだろう？
どうしてあの人がじゃなきゃイヤって思っちゃってるんだろう？
「ごめんなさい…、」
.
次、新しい恋をするのなら大野先輩から遠い人がいいよ。
サークル内で当てつけのように付き合ったと思われるのも、
簡単に心変わりしたと思われるのも、
よかったねなんて祝福されるのも今はまだ耐えられない。
「…そ、っか」
「すみません、」
「謝んないでよ。ダメ元だったし」
先輩の腕が緩んで体が離れた。
「とりあえず、エントリーはしとかないとさ」
「先輩？」
「ってことでこれからもヨロシク」
「…あの、でも」
「いいからいいから」
先輩がパチンとウインクを決めたタイミングでリビングのドアが開いた。相葉先輩だ。
「Aちゃーん、一緒に花火やろ？」
「相葉くんゴメン。今取り込み中」
「えっ？…ってまさかAちゃんをクドイてるわけじゃないよね？」
「そのまさかだよ」
「先輩！？」
そうだけど！
「もー翔ちゃん！合宿はカレカノ作る場所じゃないでしょ！」
ですよね。
「全く油断も隙もあったもんじゃないッ」
「ひでえ言い方だな」
「あの、…すみません」
「Aちゃんはいいの。一方的に口説かれてただけなんだから」
「何だよ！応援してくれたじゃんかッ」
「時と場合によるの！」
ああ、もうムリ。
「失礼します！」
いたたまれず私はキッチンから逃げ出した。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
