幼馴染とわたし２【笠松幸男】

ストーリー５４ ページ4

パチパチパチパチ…

笠「おおおっ、きたきた、膨らんで来たぞっ」

あ「わたしだって、膨らんで来たもん」

笠「いやいや、俺の方がでかいな」

あ「今からもっとふくらむのっ」


最後に残した線香花火をあーだこーだ言いながらやっている私たち。


笠「なかなか多いな、線香花火」

あ「うん。2人だしね」


5回以上はやったかな…。

けど、まだまだ半分くらい残ってる。


だんだん競争するのも疲れてきて、2人で静かにしゃがんで、綺麗な線香花火を見つめる。


笠「やっぱ、たまには気分転換も必要だな。勉強ばっかりしてたら嫌になるもんな」

なんて、ゆきちゃんは言ってるけど、

ゆきちゃん、そんなに言うほど勉強してないよね…。

小堀さんとかが言ってたら、そうだなぁ、って納得できるけど。

笠「Aもたまには息抜きしろよ。じゃねーと倒れるぞ」

あ「…そんな、大丈夫だよ」


笠「……うそつけ。

おめーはいつも溜め込みすぎんだよ。たまには頼りになるになる幼馴染にも頼れっつの」


わたしの頭をポンポンしてそう言うゆきちゃん。


笠「…ま、こんなことぐれーしかできねぇけど、
それでも、お前が笑ってくれたら、それで俺は安心できっからよ」


…もしかしてゆきちゃん、わたしの様子が変だったから、花火してくれたのかな…。





…ゆきちゃん……。


本当にゆきちゃんって、

優しくて、かっこよくって、わたしの自慢の幼馴染だよ。


ゆきちゃん以上にかっこいい人なんて、この世にいないだろうなあ…。


こんな幼馴染がいて、わたしは幸せ者だよ。


ゆきちゃん、ありがとう…。

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